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前回の話 「入渠しろ」 何を考えているのか。 どのような采配を取るつもりでいるのか。 気に食わない。 持っている紙の束ばかりに意識を奪われながらそう命令する提督に、 私は艦体を動かすのも多大な労力を持って詰め寄った。 「進軍すれば勝てたのよ! 仮に私が沈んでもっ、設計図がある以上もう一度建造できる!」 「…………」 「こんな指揮ばかりやっていては、燃料弾薬が!! ぐっ……、資材には、限りがあるんですよ!」 悲鳴を上げる艦体を抑え、一方で昂る激情は抑えずにできる限りの最大出力で声を張り上げる。 しかし提督の装甲は紙ではないのか怯んでいなくて、それがまた気に食わない。 紙の束から私へ視線を移した提督は、口だけを動かした。 「馬鹿だな」 「は?」 私は呆然とした。 開口一番で返ってきたのは買い言葉ではなかった。 顔を合わせた当初からずっと維持している冷静沈着な姿勢だが、 包み隠そうともしない悪態を聞いたのはこれが初めてだったと思う。 「またここまで育てなければならん手間を考えろ。その方が非効率的だ。 それに、大井が大打撃を受けた状態では進軍しても敵主力殲滅は不可能だ」 私は少し頭が冷えた。 提督の言う通り、私が沈んでから再度建造したところで一から訓練を重ねる必要がある。 だからそれはいい。 だが後者には異論を唱えたい。 戦艦や空母といった大型艦に対してその理屈を当てはめることは納得できるが、 私はどちらでもない軽巡から派生した重雷装艦なのだ。 形式的に持った小さな主砲の火力が大きいわけがなく、 唯一の武器である四問五基の計二十問の魚雷も当たればいいものの命中率は見るに堪えない。 「そんな事も分からんとは、練習艦の経歴十年なんてのはビッグマウスだったのかね」 嘆息しながらそう呟いて紙の束にまた視線を落とす。 言い争いをしようとか貶そうという目論見も見えず私に失望するだけの提督の態度で、私はまた頭に血が昇るのを感じた。 ――練習艦時代は軽巡であって雷巡じゃないのよ!―― 私の煮えた頭は、そんな反論くらいしか言語化できない。 しかし口に出すことはしなかった。 中途半端にそう的外れな反論だけをしては更に道化になるだけだからだ。 話にならない。 そう思う事にしておいて私は踵を返した。 「入渠はしろよ」 ――うるさい!―― …………………… ………… …… 「大井っちも入渠?」 いた。 北上さんは私が出撃する前に艦隊に召集され中破したので、壁際の湯船に浸かっている。 上部に掲げられた近代的な時計はもうあまり長い時間を示していなかった。 あの男との雲を掴むような対話を切り上げてきて正解だった。 入渠時間があまり長くないことを知っているから私は足早にここに来たのであって、一番の目的は入渠ではない。 ないったらないのよ。 北上さんの姿だけを確認した私は早速不満を打ち明ける。 「聞いてよ北上さん!! あの男ときたら!!」 「ひ、響く……」 しまった。北上さんが耳を抑えている。 音が反響するドックである事も忘れて声を荒げればそうなるのも当然だ。 私は北上さんが顔を歪ませたのを見て頭の血が引いた。 「ごっ、ごめんなさい!! お耳壊れちゃった!? 私が直す!?」 「あーもうなんともないから!」 北上さんに両手で拒絶されて我に帰ったとき、私はお湯の海域に進入して北上さんに詰め寄っていたのだった。 大破しているはずなのに俊敏に動くことに私自身驚いた。 北上さんの指摘で理性を幾分か取り戻したので、ひとまず忘れていた湯かけに取り掛かる。 凝り固まった艦体が、四肢が、適温のお湯で解されてゆくのが分かる。 石鹸を泡立てたタオルで、こびり付いた煤を落としていく。 「で、なんだっけ?」 「そう! 提督ときたら、敵の主力手前の海域で帰投命令なんか出してきたのよ!」 「あー……」 湯に浸かっていっそう気だるげになった声がドックに響いたので、 即座に首を反転させて事のあらましを告げると北上さんは思い当たる点があるように嘆息した。 ドックの換気能力を超える濃霧の中でも呆れているような顔が視認できる。 北上さんのことならこれくらい分かって当然よ。 「私たちを人間と勘違いしてるんじゃないのかしらね!」 艦娘は兵器であって人間ではない。 それは艦娘の共通認識であり常識である。私はそう思っている。 人間みたいに扱って敵を海で遊ばせておくなんてのは言語道断だ。 "前"のときにそんな軍人の存在を耳にしたことはない。耳という器官なんか持ってはいなかったけど。 だからあの男の存在は顔を合わせて間もない頃からとても不自然に見え、違和感を覚えたのだ。 やがてそれが大きくなった今では、軍にそぐわないので排除すべき存在としか見えない。 消極的な命令ばかりを出し、今日になってやっと少しは進軍を覚えたと思ったらこれだ。 そして渋々帰ってきてみれば反省のないあの態度。 腹立たしい。 あの男の存在を頭から振り払うように髪をがしがしと洗浄する。 「別にいいんじゃないの、好きにやらせておけば」 「もう! またそんなこと言う……」 北上さんらしい適当な感想だ。 それでも私は釈然としないのだ。 がむしゃらに敵を沈めてなんぼではなかったのか。 そそくさと煤を落とし、次にもやもやした気持ちを流すために私は湯船に浸かった。 無論北上さんの隣だ。 煙った天井を眺めて煮え滾った艦橋を整備する事に努める。 一つ溜息を漏らすと、それとも、と隣から声がかかる。 「大井っちは提督がクビにならないか心配なのかな?」 「やめてよ。冗談じゃない」 笑い話にもならない。 私があの男の行く末を心配する妄想なんて、身の毛がよだつ。 私と北上さんが気に入らない、 今のように怯えてまともな指揮ができない人間でなければ、提督なんて誰だっていいのだ。 軍艦とは敵の船を沈めるために生み出されたのだ。近海で遊ばせていては艦底が錆びる。 それを分かろうとしないあの役立たずは無用だ。 岸壁で呑気に黄昏ていようものなら後ろから突き落とすのもいいのだけど、 その怯えっぷりからかそのような隙を見せない。 「ま、提督がどうなろうと、こっちは関係ないからさ」 要するに、北上さんはただ無頓着なだけなのだ。 北上さんのその心の持ちようが羨ましいが、北上さんは北上さんで、私は私。 私の個性の短所に悶々とするうち、修復を終えた北上さんはドックを出て行った。 北上さんは私より先に建造されたらしい。 私が建造されて艦隊の一角に三つ編みを垂らしたその姿を確認したときは喜んだものだが、 それよりも提督の在り方の方が気に入らなかった。 既にその艦隊の旗艦に戦艦がいたのだが、聞けば鎮守府近海を彷徨いているだけだというのだ。 その次の海域への進軍を果たしたのも記憶に新しく、思えばそれは私たちが軽巡でなくなったばかりのはずだ。 "南西海域を制圧せよ"とかいう任務に駆り出されたのも最近で、 演習で相手になる別鎮守府の艦隊から聞く近況と比べれば遅い。 しかしあの男は口で言ったところで聞く気がないようなので、不満を心の中で燃焼させる。 それでもその燃焼は不完全で、この修復ドックに立ち込める白い湯気とは違い煤塗れだ。 「はあ、不幸だわ……」 温かなお湯に身を委ねて提督への不満を紛らわせていると、ドックの引き戸が開けられた。 いつもの口癖を呟きながら入ってきたのは艦隊旗艦の山城さんだった。 濃霧の中でも科白だけで誰か分かってしまうのはこの鎮守府に馴染んできた証拠なのかもしれないが、 その頂点にいるのがあの男では素直に喜べない。 山城さんはドックに足を踏み入れたところで私の存在に気づいたようで、互いに会釈した。 提督の指定か、山城さんは私の隣の湯船に浸かる。 "前"のときも、そして今も、扶桑型とは特に縁はない。 ないが、今この山城さんは主力艦隊の旗艦なのだ。 だから私は声をかけた。 「あの提督、また撤退命令を出したんですか?」 山城さんは私の質問に肯定した。 今度は旗艦が中破したから進軍はやめろと言ったらしい。 タフな装甲の戦艦が大きな損害を被るほどの海域でもないから、あの男の指揮が間違っていたのだろう。 それにだ。 この旗艦の考え方は分からないけど、"もう"中破ではなく"まだ"中破なのだ。 それに、戦艦の中破ならまだそれなりの攻撃はできる。 敵艦隊が徘徊している地点も多くはないから進めばいいのに。 「あの男、少し腰抜けが過ぎませんか?」 「え? ……ああ、確かに、提督は駆逐艦一隻犠牲にしようとしたことはないわね」 「ですよね。やっぱり私達を人間と勘違いしてるんじゃないかしらね……」 「秘書なんかやったって、あの提督の考えていることは分からないわよ」 やろうとも思わない。 作戦指揮に口を挟めるかもしれないけど、それ以上に精神不衛生だ。 山城さんに向ける義理は特にないが、それでもあの男の秘書として拘束されたことは少しだけ同情する。 それにしても、補佐をしても考えていることが分からないとはますます食えない男のよう。 これ以上秘書艦に訪ねても湧いた好奇心――ほんの少しだ――を満たすことはできないようなので、 会話を終わらせ黙って湯船に背を預ける。 直後どこからか機械音が響いた。 上を見れば、天井の梯子染みたレールに沿って吊るされた緑色のバケツが運ばれてくる。 それが逆さにされると、私の隣の湯船に中身が投入される。 艦隊旗艦である以上仕方がないとはいえ、入渠する暇さえ与えられないなんて殊更同情するわ。 即座に修復を終えドックを出ていく山城さんを私はそれを横目で追い、耳に意識を集中させる。 やがて向こうの脱衣所さえも物音がしなくなったことを確認してから、私はこっそりドックを抜け出した。 聞いた話によるとこの執務室の壁には防音加工が施されているらしいが、 扉は少々凝った作りになっているだけのただの木製だ。 多くある他の扉とは木の材質も違うようだけど、結局は音を遮断する能力はない。 用心しているのかそうでないのだか。 私は扉に耳を当て、内部を盗聴する。 まだ出撃はしていなかったようで、内部からは提督と山城さんの声が伺える。 脱衣所で装甲を纏う時間を圧縮してきたことが功を成した。 淡々と遂行中の任務消化について提督が山城さんに一方的に伝えている。 その最中"遂行の仕方がおかしいでしょう"などと異論を唱えたい衝動に何度も駆られるが飛び込むわけにもいかない。 なんとか黙って聞いているうち一通り云いたいことが済んだようで沈黙が訪れたが、直後。 『ある艦が"提督は艦娘を人間と勘違いしてるんじゃないか"と言っているのを聞きました』 『……それで?』 『"替えは利くんだからもっと進軍しろ"ということだと思いますけど……。 提督は少し撤退命令が多いんじゃないですか?』 思わぬ展開だが、いい機会だ。 指揮官の根幹を確かめるべく、私は提督の回答を待つ。 やや長い沈黙が流れ、やがて扉越しに声が伝わる。 『人間でなく機械ならぞんざいに扱うべきなのか』 『…………』 『仮に私が先の戦争の時代にいたとしても、犠牲を出さない事に尽力するだろうね』 『いずれにせよ私は私のやり方で行く。考えを改める気はない』 その声はしっかりとした芯があるように聞こえた。 それを聞いて何故か私は悪いことをしているような気分に陥ったので、扉から耳を離してその場をあとにした。 ――ドック、戻らなきゃ―― …………………… ………… …… 時は流れる。 あれからも結局のところ私は海に呑み込まれることなく、二度目の大規模改装を迎えてしまった。 提督の階級や戦果は緩やかにしか上がっておらず、この鎮守府に上から表彰状が贈られたこともない。 工廠を出てみれば装甲と艤装が一変した私と違って質素なままの制服を纏う提督が待ち受けていたので、 私は早速口を開く。 「私が建造されてから随分経つのに、練度向上は牛歩のようですね」 「……ん?」 「提督は腰抜けが過ぎるんですよ」 あら提督。何故首を傾げているんですか? とは聞かなかった。 自分も内心では首を傾いでいるから。 提督と顔を合わせても不思議と精神に乱れの波がない。 それに私、提督に対してここまで本音を包み隠さず言えたかしら……。 「……改装不備でもあったか口が悪くなったな? もう一度工廠に行った方がいいんじゃないか?」 「今までの提督のど素人な指揮に苛々してきた結果です。 こんなことを艦に言わせる提督の方こそ改装してもらったほうがいいんですよ。 二回の改装で直ります? 直りませんよね」 しかし私の方は直った。 実のところタービンの設計が特殊なため扱い辛く不調を多発させたから、私は練習艦にされたのだ。 だがそれも過去に捨てた。 "前"からの、そして再び建造されてからの、扱い辛かったあのタービンはもうない。 これで私は北上さんの足を引っ張ることもないし、心置き無く提督に横槍を入れられる。 一方の提督はと言えば、そんな私の横槍を避けることなく珍しいことに真っ向から受けた。 私がこのとき初めて見た提督の笑みは、挑戦的な含み笑いだった。 「……面白い。早速だが、大井は暫くの間秘書に任命しよう」 「へえ……」 「覚悟してくださいね。私が秘書になったからには撤退三昧のクソみたいな指揮、もうさせませんよ。提督?」 ――この魚雷火力、うまく使ってほしいな―― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前回の話 「あ、ありがとう……。でも、私の心は常に扶桑姉様と共にあるの、ごめんなさい……」 好意を向けられる事に慣れていない私でも分かった。 向けられた好意を拒絶する事のどんなに心苦しいことか。 ああ、そんな顔をしないで。目を逸らしたくなる。 しかしそれは許されない。 「そうか……」 提督は、私へと差し出したそれを引きずるように引き戻し、手持ち無沙汰にポケットへしまった。 沈黙が辛い。 こんなときは、何を言ってあげればいいの? 不幸者にそんな物を贈る提督は好き者ですね、とでも言って茶化す? 提督なら他にそれを貰ってくれる娘がいる、とでも言って慰める? あり得ない。 そんな軽薄な言葉を放つ勇気なんかない。 告白するときの真剣な様子からあまり変わっていない、と思いきや、 しっかりと私の言葉を受け止めて落とす瞼、気迫のなくした声を搾り出す提督を、 元気付けてあげる術など私には見つけられなかった。 「今言った事は忘れてくれ。小破した分を修復したら寝るといい。明日も頼むぞ」 提督はポケットにそれをしまいこむと、至って普段の様子を取り繕った。 想いを棒に振ったのに、"明日も頼むぞ"だなんて。 いや、秘書の板にはすっかり着いたから使ってもらえることに嫌悪感はないのだけど。 少し、ほんの少し、抵抗を感じてしまわずにはいられない。 ……おやすみ。 「え? は、はいっ、おや……」 ばたん。 提督は、私の言葉を待たずに奥の扉を閉めてしまった。 自身が言いたかっただけか。 やけに遠く感じるその扉へ駆け寄る勇気もなく、私は執務室を後にして修復ドックへ向かうことにした。 …………………… ………… …… 一日の疲れをドックにて完全に流す工程を踏んだはずなのに、不思議と流せた気がしない。 もやもやした憑き物がこびりついた硝煙のように落ちない。 姉は被弾しなかったので入渠もとい入浴を早々と終え、もう寝床についているはずだ。 一日は、最後に姉と些細な談話をもって閉めるというのに、私の足は寝室を向かっていない。 なんだろう。この焦燥感は。 日々の不幸で磨かれた第六感が私に警鐘を鳴らしているのだ。 提督が心配でならない。 そうして長い廊下を歩いているうち、鈍足性能も振り切るように早歩きになっていた。 執務室へたどり着き、執務室の扉を開ける。そのまた奥の私室の扉を、こっそり開ける。 どうか普段通り眠っていますように、と祈りながら……。 「……!」 いない。 執務室の神棚には、神様は宿っていなかったらしい。 寝具の布団は膨らんでいないし、服や靴なども見当たらない。 いないと分かった以上、遠慮なく速度をつけて扉を放るように閉め、その場を後にする。 廊下の床を叩く下駄の音が周りに迷惑をかけやしないか気になるが、 今はそんなことにも構っていられなかった。 私の焦燥感は増すばかりで、警鐘と化した自身の鼓動のほうが五月蝿い。 ドックとは別の浴場を確認。いない。 男子便所を確認。いない。 こうなると、私の艦橋が弾き出した推測は一つだけになった。 悠長にしていられない。 慣れとはいえ高い下駄で階段を幾つも駆け下りるのは容易ではなかった。 焦りによって足が思うように動かないのもあるだろう。 「はあ……、はあ……、……!」 岸壁の隅に置かれたベンチを照らす電灯。 確かにそこに見慣れた人影はあった。 しかし様子がおかしい。 あの人は、提督は、何をしようとしている? ベンチの横に立ち、紫煙を燻らせ、 何やら右手を見つめてから持っているらしい何かを海に向かって振りかぶろうとし、 一旦中断しては首を振り払ってまたそれを一際大きく振りかぶったのだ。 索敵機が戻ってこない事よりも大きく膨らんだ焦燥感だけが、息切れを起こした私のタービンを稼働させた。 「やめて!!」 撃ち方やめの合図よりもその声は大きかった。 その甲斐あって、提督は動きを止めてくれた。 振り向き、提督の右手の物がはっきりと確認できた。 あれは、私の心に嫌というほど刻み込まれた見覚えある小さな箱だ。 私は肩で息をしながら提督を問い質す。 「何を、しようと、はぁ、してたんですか」 「お前には関係ない」 関係ない? 笑わせてくれる。 むしろ私が大いに関係ある物じゃない。 そこは自負しておきたい。 提督が私だけに贈ろうとしてくれた物なのだから。 私はその確信を持って提督に強気で挑む。 「それ、指輪ですよね?」 「…………」 提督。 いつもは口酸っぱく"相手の目を見なさい"なんて言い回すのに、人のこと言えないんじゃない? 不気味な黒い海なんか見て楽しいの? 「何を、しようとしてたんですか」 「お前が見た通りだよ。これはお前がいらないなら無用の長物なんだ」 提督はやっと白状してくれた。 私を強く想ってくれた本音を混じえて。 嫌味ったらしく、憎たらしい感情が入っているようにも聞こえるけど、それは私が悪い。 でも、私は、それを貰う決心を出来ていない。 今後貰う予定も考えていない。 無我夢中で提督を止めることだけを考えていたので、今の私は図々しく先延ばしにしてもらうことしかできなかった。 怖くて提督の顔も見られず、祈るように目を強く閉じて懇願するしかない私を許してください。 「お願いします。それは捨てないで、とっておいてください……」 「何故だ」 「言えません。とにかく、お願いします……!」 提督の言葉が、疑心が、潮風よりも冷たく心に刺さる日めくりだった。 …………………… ………… …… あんなことがあってから数日ものあいだ、私は息苦しさを感じていた。 あれからというもの、提督は私への態度を変えた。 時折覗かせてくれた柔らかい態度が全て偽りだったように、着任初期の素っ気ない態度に一貫してしまっていた。 執務中に書類の山に手を伸ばそうとして提督のそれと触れ合ってしまっても、提督は態度を変えない。 厨房での演習も、執務中の一緒の休憩も。 そして、深夜の合言葉さえも。 何もなくなった。 私達の関係は壊れてしまったのだろうか。 距離を置かれているような執務が、苦しい。 「やっぱり、提督と何かあった?」 目の前の布団で正座で向き合う姉が、優しく、しかし不安気に問う。 同じく自身の布団に正座する私が、誤魔化す術はない。 ここに及んで誤魔化すのは、畜生のやることだ。 そこまで私は堕ちていないと信じたい。 「実は……」 私は、ことのあらましを姉に語った。 姉は静かに聞いてくれて、最後に短く、そう、とだけ漏らす。 「山城が三日間帰ってこなかったときの提督の様子、知ってる?」 無論知らない。 誰からも、提督からも聞かされていない。 私が知っているのは、帰投したときに見せた提督の号泣した姿だけだ。 私は首を横に振る。 「提督はね、食事も睡眠も惜しんで山城を探し続けたわ。それだけならいい。 でも、どんどん酷くなっていって、最後には倒れるまで煙草を吸い続けたの。 倒れる直前に提督が私を見てなんて言ったと思う?」 「死神が、山城が迎えに来てくれたって」 私は戦慄した。 それでは最早依存ではないか。 私のことを死神など縁起でもないけど、あの無表情の奥底ではそんなことになっていたなんて。 最近は提督も私と一緒にいてそれなりに楽しんでいるように見えたけど、そこまで考え付かない。 「私、提督にそこまで想われるほど何かした覚えはないんだけど……」 「そこは、居心地がいいから、とかだと思うわ。人を想うって、そういうものだもの」 そんな明瞭でない結論なのだろうか。 いや、完全に否定するわけではないけど。 私も居心地が良くないと言えば嘘になるし……。 「提督がどういうときに煙草を吸うか、山城はもう分かっているでしょ?」 分かっている。 提督もそれを示唆することを言っていたけど、そこから私は完全に汲めていた。 「山城が出撃したときも、よく煙草を吸いに外へ出るのを見たわ。このときの提督の気持ちが分かる? 山城が心配で心配で仕方ないの」 提督は、決まって負の感情が取り巻く時に煙草に当たっていた。 海に向かってあの箱を投擲しようとしたときもまた然り。 「山城は提督にそこまで想われて、嫌な気持ちだった?」 私は、少し迷ってから首を横に振った。 嫌で提督を拒絶したんじゃない。 私はずっと前から心に刻んでいたことを厳守しようとしただけ。 「私の心は常に、姉様と共にある、って……」 「それは、提督と共にあったら離れてしまうもの?」 私の言葉を遮るように姉は問う。 噛み締めてみれば誰もが思い浮かびそうなごく普通の疑問だったけど、それを何故か私は考えたことがなかった。 提督と共にあったら、どうなるのだろう。 「山城は、幸せを見つけるために、提督の傍に身を置いたのよね? 山城が探す幸せは、何なのかしら」 それは。 超弩級戦艦としての威厳を取り戻すこと。 それには、強化が必要で、その強化には提督が必要で。 でも一日の中で姉よりも長い時間を提督と過ごしていくうち、情けないことに自身の目標を度々忘れてしまっていた。 姉以外にもう一つ見つけた、一緒にいて幸福感を感じる存在。 ぼうっとそれだけを噛み締めることが多くなっていった。 私が、その幸福感を完全に自身のものにするには。 「山城の心が提督と共にあっても、私達はずっと一緒よ」 姉のその言葉で、私はやっと自身を動かすことができた。 数え切れないほど日常的に踏み締めた深夜の岸壁を、私は決心した思いで向かう。 …………………… ………… …… 「提督の想い、もう廃れましたか……?」 私の懸念していた問いを、提督は首を振ってくれた。 提督を振った挙句、足踏みまでさせる暴挙を働いたのだ。 本来なら罵倒されても仕方がない。 自身の不手際であるゆえ、不幸とも言っていられない。 でもこれだけで、私の不安は取り除かれた。 「では、もう一度、あの時の言葉を、下さい……」 安堵やら罪悪感やら感極まって、私は、一粒涙を流してしまう。 蚊の鳴くような言葉尻になってしまうも、提督は嫌味も言わず応じてくれる。 私の懇願通りポケットに常備してくれていたらしいそれが差し出される。 箱が開けられ、そのリングは強くない月明かりの下、煌びやかに存在感を放つ 数日ぶりながらもこれまで長かった感覚を思い起こさせた。 意図せずして細められてしまう私の目を提督は見つめ、これまでの息苦しさを断ち切ってくれた。 「月より綺麗な山城を、私のものにしたい」 「……っ!」 もう、だめ。 抑えられない。 提督の中へ飛び込んだ。 「提督ごめん、なさ、っ、今まで、ぐすっ、我儘ばっかり言って……。 ぐすっ、迷惑ばっかり、かけてっ……、ああああぁぁ……!!」 私を受け入れてもらえたこと。 提督を待たせてしまったこと。 思いが入り乱れ、腕の中でみっともなく泣き崩れる。 涙が止まらない。 提督はそんな私を静かに宥めてくれる。 身を引き寄せて。頭を撫でて。 「すまなかった。自分も、不器用だから……」 涙を止めてから、提督にリングを装着してもらう。 日頃不幸だと言っていながらも、このときばかりはそれが指に嵌らない、という事態にもならなかった。 存在感を放つそれが提督に見えるように、左手を私の胸に置く。 自身で装着するよりも、こうして装着してもらわなければ、ここまで胸は躍らなかっただろう。 私は頬にもう一度道筋を作ってしまう。 久しぶりに感情を顔に表してくれた提督は照れ臭そうにしながらも、私をしっかりと見つめて問う。 「どうだ。幸せは見つかったか」 「……くすっ」 言うまでもない。 提督と同じように、私も顔に感情を精一杯せり上げさせた。 私は、あの月より綺麗に笑えただろうか。 その答えは、提督だけが知っている。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前の続き 夜二十二時三十分。 通信司令室には私の他に霧島、愛宕、由良そして暁がいた。艦娘たちの顔には苦渋が滲み出ていた。いつものほほんと笑っている愛宕も厳しい表情だ。『翔鶴が沈む』、その通信を最後に第一艦隊からの連絡は途絶えた。本日の通信司令室の夜番の四人が再度通信を試みようとしたが、一向に繋がらないままこの時間になってしまった。 私はテーブルの上に広げている南方海域の地図を凝視する。第一が予定通りにサブ島沖に向かえたと仮定して通信を受信した時間で位置を推測した。そのポイントに赤のマジックペンでグルグルと円を描いた。 「通信の記録を聞く限り、充分な応戦は出来ていない…恐らく撤退を試みているはずだ。損傷も酷いだろう… 天候の良し悪しもあるがスピードも落ちているはずだ」 「敵も追随している可能性もあります。またレーダーも無事機能できているかどうかも分かりません… 最悪照明灯も使えないかもしれません」 霧島の言葉で生々しくその様子を想像した。ギリッと、私は歯を鳴らした。偵察とはいえ、それなりの準備をさせて第一を編成した。まだ未熟な翔鶴はいたがその分もカバーできる程の力量を持ったメンバーを編成したつもりだった。それでも、それでも翔鶴は―――――― 私は頭を振った。 「………救助隊を編成する。メンバーは、」 バンッとけたたましい音がした。音に驚き体が一瞬飛び上がった。後ろを振り向くと通信司令室のドアが壁にぶつけるほど思いっきり開けられており、そこには険しい顔つきの瑞鶴がいた。 「翔鶴姉が…翔鶴姉は無事なの?!」 瑞鶴は一直線に私の元へと早足で来た。このまま胸倉を掴まれそうな勢いだったが瑞鶴は私に触れずにただ不安と怯えの色の瞳で見上げてきた。瑞鶴は寮外へ出ることを禁止していたが、状況が状況な為に私はそのことを咎める気が全く起きなかった。 「翔鶴は――――――」 翔鶴が沈む。不知火の最後の言葉。それを今ここで瑞鶴に伝えるべきかどうか逡巡した。しかし瑞鶴は私の迷いを責めるように私の腕を掴んだ。 「翔鶴姉は沈んでなんかないよね!?」 私は目を見開いた。緊急事態が発生した際には艦娘たちの寮で緊急サイレンを鳴らしいつでも出撃ができるよう準備を整えさせることを徹底させていたが、事件の内容までは伝えずその時の通信指令室のメンバーで作戦を決め必要な艦娘を呼び出して事件と作戦の概要を説明していた。作戦に必要ではない艦娘がその事を知るのは任務が終わった後である。今基地にいないのは第一艦隊と第三艦隊だ。緊急サイレンがなれば第一か第二、またはどちらも危険な状態だとは分かる。しかし作戦がまだ考案中である今、通信指令室にいなかった瑞鶴が翔鶴のことを知るはずがないのだ。私は後ろに並んでいる夜番を睨みつけた。 「誰だ、瑞鶴に連絡したのは」 通信指令室の番をするものは通信の内容がどうであれ許可なく私以外に連絡することを禁止にしていた。例え出撃中の姉妹艦相手でもだ。私の威圧に四人の表情がさらに強張った。まるで息さえ止まっているように。暁は反射的に由良の後ろに隠れた。まさか、暁が? 「暁、お前が瑞鶴に連絡したのか」 由良の体からはみ出ている腕がビクンっと跳ねた気がした。由良は少し動いて私から暁を隔絶するように後ろに隠した。今は黒いタイツの足しか見えていない。 「落ち着いてください提督さん」 「由良、暁を庇うのなら――――――」 「ちっ違う!違うよ提督さん!」 由良を咎めようとした私の腕を瑞鶴はグイッと引っ張った。 「違う…なんとなくすごく嫌な予感がして……そしたら緊急サイレンが鳴ったから……翔鶴姉に何かあったのかと思って気が気じゃなかったの。瑞鶴は誰からも連絡をもらってないよ!信じて…」 「……暁?」 視線を戻すと由良の後ろから少しだけ暁が顔を覗かせていた。 「い……言いつけは破らない……のです……暁は一人前のレディーだもん…」 嘘はついていないように思えた。私は溜息を吐き、頭一つ分小さい瑞鶴を見下ろした。顔は伏せられて見えなかった。 「……やっぱり……翔鶴姉に何かあったんだ……」 絶望の色を隠せない呟きだった。美しい灰色の髪が小さく揺れている。武器を一切纏わない瑞鶴の姿は怯える人間と大差ない。私はその姿を哀れに思うと同時に疎ましく感じた。遥か昔、私が生まれるよりもさらに遠い昔、戦争という地獄の中を生きてきたのは人間だけではない。その人間たちと共に激動の海で戦ってきたのは、物言わぬ艦船だった。しかし魂は宿っていた。その魂が現代に蘇り艦娘として存在するようになった。艦娘たちは昔の記憶を忘れていない。各々の艦船の始まりも終わりも覚えており、姉妹艦と初めて顔を合わせた時は再会を喜ぶ。姿形は以前と異なるにも関わらず、初めて姿を見ただけでそれが誰だか彼女たちには分かるのだ。彼女たちの間には家族愛に似たものがあり、確かな絆があった。家族を守りたいと思い、困ったことがあれば力になりたい。危険に晒されているなら救いたい、と。その感情や気持ちは尊く喜ばしい。しかしここは軍であり戦場だ。感情に任せて行動した結果がいつだって喜ばしい結果を生み出す訳がない。むしろ最悪の事態を引き起こす可能性がある。部下を戦場に送り出す上官として、冷静な判断をしなければならない。そして私には次に何が起こるかを予測していた。 「提督さん」 より一層強く腕が捕まれた。瑞鶴は顔をあげる。先程まで感じていた怯えは瞳の中に見えなかった。 「瑞鶴も翔鶴姉を捜す」 予想通りの言葉だ。 「……お前は今は遠征も出撃も禁止されている身だ。寮内待機も命じている。これ以上勝手なことをするのなら――――――」 「だったら解体したらいい!」 その叫びに私は言葉を続けられなかった。瑞鶴は私を真っ直ぐに見据える。恐怖を感じるほどに真っ直ぐに。 「何もできず、何もやれず、戦うことも手伝うことも強くなることもできずにただ腐れ果てるというなら、私がここにいる理由も必要もない。さっさと私を鉄の塊にすればいい」 「瑞鶴、私は」 瑞鶴の真摯で真剣な様に私は気圧されていた。恐らく不知火の通信で動揺していたのだろう。いくら万全な準備と装備を整えても生きるか死ぬかの戦場、何度も艦娘たちは危険な目に遭って来た。それでも今回のように安否が全く分からない状況に遭遇した経験がなかった。それに私は、誰かが死ぬことにまだ慣れていない。こうやって艦娘たちを指揮する立場になったのもの元から軍に勤めていたからではなかった。深海棲艦が出現し始めてからしばらくして、議会の友人が私の元へ訪ねてきたのだ。どうやって調査したのかが不明だが、私には艦娘を指示し彼女たちの力を充分に発揮できる力があったらしい。黙って世界が滅亡して死ぬのを待つくらいなら、自分の未来の為にも生きたい、そう思ってこの仕事を引き受けた。深海棲艦と戦う為に集まった提督の中には私のように軍事関係とは無縁の場所にいた者も少なくはなかったが、大半は軍関係者であったりどこかの国で傭兵として暮らしていたことのある者だったり、戦いに身を置いた者も多かった。そのタイプの提督たちとは違い、私は死から遠い場所で生きていたのだ。 「提督さん、瑞鶴は、」 提督となって月日が流れた。戦術の勉強もした。それなりの戦果と功績を残した。艦娘たちからの信頼を得た。それでも私は、誰かが死ぬことにまだ慣れていない。もし慣れていたら、翔鶴を傷つけることも、瑞鶴を閉じ込めることもしなかったのかもしれない。 「瑞鶴には幸運の女神がついている。第一艦隊全員を基地に連れ戻す。私もちゃんと帰って来る。私は、私が――――――」 もし慣れていたら、 「瑞鶴が誰も死なせない!誰も二人目にもさせないし、私もならない!」 もし慣れていたら、自分の部屋に新しい鍵をつけることはなかったはずだ。 夢を、見ることはなかった。 「提督!見て見て~」 執務机でノートパソコンを操作している私に秋雲は声をかけてきた。目をディスプレイから離して秋雲を見ると、秋雲の顔ではなく男の顔が視界に入った。 「どうどう?上手いっしょ?」 その男はスケッチブックに描かれた私であった。一目見るだけで誰が描かれたのか分かるほど、秋雲の絵は非常に写実的だった。私がノートパソコンと睨めっこをしている様子が描かれていて、その私の周りにはデフォルメで描かれた開発妖精が踊っていた。秋雲は対象を忠実に描くことも秀でているが、コミカルなタッチのイラストを描くことにも優れていた。艦娘という立場でなかったら、芸術家か漫画家になっていたに違いない。 「相変わらず上手いな…」 「何なら額縁に飾って食堂に置いとこっか?」 「それは止めてくれ」 私が苦笑すると秋雲はカラッとした顔で笑った。 「基地にいる艦娘はみーんな描き終わったよ。深海棲艦もあらかた描いたんじゃないかな~」 「ほぅ…先日来た伊58もか?」 「もっちのろんさぁ!ほらこれ!」 ページが捲られると海に浮かぶ伊58が描かれていた。私の絵とは違い、愛らしさを感じられる。艦娘とは一定の距離を保つようにしていた私だったが、秋雲の絵は純粋に好きであった。それに秋雲は私に懐いていたが、そこに恋愛感情の類は見えなかったので秋雲とは気楽に接することができた。 「ねぇ提督~」 秋雲が甘えた声を出した。秋雲が何を言いたいのか私には予測できた。 「私はあまり建造運に恵まれないようでね… 海域でも出会えたらいいんだが、…すまない」 私の謝罪に秋雲は首を横に振った。 「まっ しょうがないよね~いいよ、秋雲さん気長に待てるし」 「極力早く迎えられるよう努力する」 あ、と秋雲は拳をポンと手の平の上に叩いた。 「なら暇潰しにさ提督、秋雲の絵を描いてよー」 秋雲はそう言って私に赤色のスケッチブックを差し出した。私は片手で拒否を示した。 「私はお前と違って絵心はない。それに、お前が暇でも私には仕事があるんだ…… そもそも、その書類の処理は終わったのか?」 私はテーブルの上にある書類の束を指差した。秋雲はフフン、と鼻で笑う。 「これぐらい朝飯前ってやつさぁ~終わって暇だったから提督を描いてたんだから」 「…絵を描く前に私に次の指示を仰ぐこともできたはずだが?」 「まぁまぁ!じゃ、お仕事くーださい」 私は溜息を吐くと机から立ち上がった。 「装備を開発するか。工廠に行くぞ」 秋雲もソファーから立ち上がるとドアへと向かい、私の為にドアを開けた。 「建造はしないのー?」 「資源の残りが心許ないから暫くは控える」 「残念っ」 私が執務室を出ると秋雲はドアを閉めた。私の隣に秋雲が立つ。 「明後日はカスガダマ沖海へ出撃だ。そこで会えるといいのだが」 「ん?そこって確か前に行ったんじゃなかったっけ?」 「最近カスガダマで深海棲艦が多数目撃されているようなんだ。撃滅させろ、と上からの指示だ。それとお前も第一艦隊の編成メンバーだから準備は怠るな」 「おっ りょうかーい!」 秋雲はピシッと敬礼をした。 「秋雲さんが連れて帰っちゃうからね~翔鶴も、瑞鶴も!」 数日後、カスガダマ沖海の最深部で秋雲を含む第一艦隊は敵を撃滅させ、運が良いことに翔鶴と出会うことが出来た。そして帰投途中、まだ生き残っていた敵の潜水艦が大破状態で航行していた秋雲を、轟沈させた。 私の指揮の下、初めて死んだ艦娘だった。 「提督さん?」 私を呼ぶ声に意識が戻る。黙ったままの私を気遣うような、心配しているような、そんな目で瑞鶴が私を見ていた。 「提督さん…顔が青いけど…」 「あ、あぁ………いや、気にするな。大丈夫だ」 私は頭を振った。瑞鶴は少し戸惑っていたが、変わらず私を真っ直ぐ見ている。 「…提督さんお願い、瑞鶴を捜索隊に入れて。絶対帰ってくるから」 瑞鶴の意思は変わらないようだった。私は初めて迎える艦娘は歴史を必ず調べるようにしていた。被弾が極端になかった幸運艦、瑞鶴。もしかしたら瑞鶴なら―――――― 私は口を開けた。 「提督?もしかして瑞鶴ちゃんを捜索隊に入れるおつもりなのかしら?」 柔らかい声が私の耳に届く。振り返ると愛宕がニコニコ顔で私を見ていた。 そのつもりだ、と私が返事をしようとする前に愛宕が言葉を重ねた。 「提督、通信内容は覚えていらっしゃいます?」 「通信内容?翔鶴が沈むと…」 「それ以外の、です」 それ以外?確か…… 『第一艦隊、こちら不知火です。サブ島沖海域には予定の時刻に到着。夜も間もないはずですが、この海域だけ昼のように明るいです…周りをよく見渡せますが…… 敵の気配はまだありません。注意して進みます』 『こちら不知火です。サブ島沖海域航行中、突然空に暗雲がたちこみ夜になりました。僅か一分です。…異常だ…何かおかしい、撤退を―――――― バァンっ ?!何の音!?攻撃か!』 確か、不知火の通信内容はこうだったはずだ。 「急に暗くなってすぐの襲撃… タイミングが良すぎる、恐らく敵の罠でしょうね」 「それは私も同じ意見だ」 「サブ島沖の敵は天候を操れるかもしれません。そこに夜戦で全く何も出来ない空母を捜索隊に入れるんですか?」 愛宕の言葉に頭を殴られたような気がした。愛宕はニッコリと私に笑いかける。 「提督、貴方は優秀な指揮官よ。だから落ち着いて冷静になって」 「………」 私は視線を瑞鶴に戻した。瑞鶴は私を不安そうに見上げている。 「……瑞鶴、お前を捜索隊にいれることはできない」 瞳が傷ついたように揺れた。 「そん…な、わ、…私大丈夫だから!暗闇で襲撃されてもちゃんと避けるから!」 「戦闘経験の豊富な赤城や加賀も夜戦では当たる時は当たる。瑞鶴、お前は特に…戦闘も演習も経験が浅い」 「…!だって、それは…!」 悲嘆にくれた目が私を責める目つきに変わる。そう、瑞鶴が弱いままなのは私のせいだ。私のワガママを全部瑞鶴に押し付けたのだ。 「……部屋に戻れ瑞鶴。…結果がどうであれ、必ずお前に知らせる。今はこれで身を引いてくれ」 しばらくの間瑞鶴は私を睨んでいたが、ついに諦めて私から目を逸らした。そのまま無言で私に背中を向けて、通信司令室から出て行った。私は後ろを振り返った。 「……愛宕、すまない。少し気が動転していたようだ」 「いいのよ、気にしないでぇ」 愛宕の微笑みにつられて私も小さく笑った。張り詰めていた空気が少しだけ緩み、霧島と由良、暁の顔もどこか安堵していた。コホン、と霧島が咳払いをした。 「司令、捜索隊のメンバーはいかがいたしましょう」 私は顎に手をあててしばし考えた。 「そうだな…ヴェールヌイ、比叡、金剛、雪風、妙高を呼べ。そして愛宕、お前が旗艦だ」 「了解で~す」 愛宕は敬礼をした。 「それでは他のメンバーの呼び出しをしてきます」 霧島は軽く会釈をすると隣の連絡室へと入った。私は由良へと足を進めた。由良の後ろに隠れている暁の腕がビクリッと動く。 「……まだ謝ってなかったな、すまなかった暁」 暁はおずおずと由良の背中から顔を出した。 「お前は指示にちゃんと従うやつだ。それは分かっていたが…少し感情的になっていたんだ。許してくれないか?」 由良に促されて暁は前へと体を出し、私の前に立った。 「……暁は大丈夫だから、…一人前のレディーだし」 私は暁の頭を撫でた。いつもならこうすると子ども扱いするな、と怒って手を払いのけるが、今は反抗しなかった。 「ありがとう、暁」 私が礼を言うのと同時に連絡室から霧島が出てきた。 「司令、連絡終わりました。すぐにみんな来ます」 「あぁ、分かった」 スー、ハー、深呼吸をする。さて、気持ちを切り替えよう。 五分もしない内に捜索隊のメンバー全員が通信司令室に集まった。私は横一列に並ぶ彼女たちを見渡し、頷いた。 「第一艦隊の捜索及び救出作戦を開始する」 艦娘たちの寮は基本的に個室が宛がわれる。中には姉妹と一緒の部屋を希望する者もいるので、その姉妹の為に少し広い部屋も用意されている。瑞鶴と翔鶴はその広い部屋に住んでいた。 真夜中の四時、もうすぐで夜も明ける時間、瑞鶴はただ一人暗い部屋にいた。ずっと窓の外を見ていた。瑞鶴の視線の先にはライトを灯して明るい港があった。その光を瑞鶴はただ見ていた。日付が変わる前に第一艦隊の捜索隊は港を後にした。瑞鶴も一緒に捜索隊に入りたかったが、提督は許可しなかった。瑞鶴の戦闘経験が浅いせいでもあるが、一番の理由は瑞鶴が空母だからだ。空母は夜は戦えない。敵の空母は種類によっては夜でも艦載機を飛ばしてくることはあったが、今の艦娘にはその力はなかった。空母は昼にしか戦えない。瑞鶴は今日初めて、自分が空母であることを恥じた。 「翔鶴姉……」 眠気は全く訪れない。それどころかずっと震えが止まらない。人間と人間が戦争していた時代、瑞鶴は幸運艦と言われるほど被弾が少ない艦だった。逆に姉の翔鶴は被害担当艦と言われるほど敵の砲撃をその身に受けていた。だからこそ、今回の出撃でも―――――― 瑞鶴は頭を激しく振る。 「大丈夫、翔鶴姉は大丈夫…大丈夫だもん……」 ジリリリリッリリリリリリリリリ! けたたましい高音が部屋に鳴り響いた。瑞鶴はギョッと体を強張らせた。音の出所を見ると、電話から聞こえた。電話!瑞鶴はハッとして慌てて走り出した。覚束ない手つきで受話器を掴みあげる。 「も、もしもし?!」 「瑞鶴さん?由良です」 由良。通信司令室にいた艦娘だ。彼女から電話がかかってくるということは、 「翔鶴姉は!翔鶴姉は無事?!」 瑞鶴の声は震えていた。心臓がバクバクとうなり、胸が苦しかった。死んでしまいそうだった。 「翔鶴さんは生きています」 生きている。その言葉が瑞鶴の脳にダイレクトに刺さった。 「ほ…ほんと?!ほ、ほんとに…?!ぶ、無事…?!」 「無事…とは言いがたいです。ほぼ轟沈寸前の状態らしいですが…とにかく生きています。意識もあるようです。他のみなさんも生きています」 ジワリ、と熱いものが目に浮かんだ。涙だ。受話器が手から離れた。 「うっ……う、うぇ……しょ……っ」 受話器は本体と繋がっているコードでブランブランと揺れていた。翔鶴が生きている。帰って来る。それだけが今の瑞鶴には救いだった。その嬉しさと安堵がさらに涙をあふれさせる。 「………っ うぇっひっく」 ツーツー。受話器から小さな音が鳴っている。しかし瑞鶴は受話器を本体に戻す場合ではなかった。だから由良が先に通話を切った。 朝日が昇った数時間後、捜索隊と第一艦隊が帰投した。その時も瑞鶴はまだ、一人で泣いていたのだった。 第一艦隊救出後しばらく、私はプライベートルームには帰らなかった。第一艦隊の報告からサブ島沖の調査をしたり、入渠中の翔鶴の見舞いに行ったり、議会に報告したり、色々していた。ゆっくりする時間が惜しくて部屋には帰らなかった。そして今、久々に部屋のドアの前に立っている。重そうな南京錠が侵入者を拒んでいた。私は首からペンダントを取ると南京錠のロックを外した。 カチリ。 ドアの鍵も外す。 カチリ。 私はドアノブを掴み、押した。ドアは簡単に開いた。一週間も空けていなかったはずだが、何処か懐かしさと物悲しさを感じた。私は靴を脱いで畳の上に足を乗せて踏み込んだ。閉めた襖の取っ手に手をかけて、サッと開く。 「おかえり」 窓の傍でスケッチブックを持ちながら椅子に腰掛けた秋雲が、いつも通りの笑顔で言った。 「……ただいま」 私は秋雲に近づいた。椅子のすぐ傍に立つ。 「描いていたのか?」 秋雲は首を横に振った。 「ううん、まだ」 「そうか」 秋雲は窓の外を見ていた。視線を辿ると演習場を見ているようだ。今、演習場では赤城と加賀が翔鶴と…瑞鶴を指導していた。 「……明日、瑞鶴を出撃させる」 茶色の髪が揺れ、エメラルド色の瞳が私を見上げ、そっか、と呟いてまた視線を外に戻した。 「良い天気だといいな~」 その声は嬉しそうでもあったし、物足りなさそうでもあったし、待ち遠しそうでもあったし、望んでいなさそうでもあった。 「……瑞鶴を描いたら、いなくなるのか」 私の問いかけに、秋雲はすぐに答えなかった。数秒、数十秒後にあのね、と声がした。 「……私自身、なんでここにいるのか分かんないんだー カスガダマ沖で確かに沈んだのに、気付いたら提督のこの部屋にいて帰投していた翔鶴を描いていた。ここには一度も来たこともなかったし、興味があった訳でもないのに」 何でだろうね? そう言って秋雲は私に笑いかけた。見慣れたしたり顔ではなく、何処か寂しそうであった。 「ま、でも翔鶴と瑞鶴はずっと描き残したかったし、会えるのを楽しみにしていたからね~カスガダマ沖で翔鶴に会った時は本当に嬉しかったよ」 秋雲がカスガダマ沖と言葉を発する度に私の心は暗く沈んでいった。それを察したのだろう、秋雲は静かに首を振った。 「提督のせいじゃないよ、あの時はみんな終わったんだ、って思ったもん。翔鶴だっていたし、…帰る時に攻撃を喰らうなんてこと今までなかったじゃん。油断していたのは提督だけじゃないよ。秋雲たちもそう。それに、あんなに大破してなかったら沈まなかったし、どっちかっつーと秋雲さんのせいだから、さ!」 秋雲がニカーっと笑った。沈んでいた気持ちがその笑顔で少し和らいだ。私は、秋雲の笑った顔が好きだった。そう思うようになったのはこの部屋で初めて秋雲に会った時だ。そして私は描き終わった翔鶴の絵を見て同時に恐れを感じたのだ。瑞鶴を描き終わったら秋雲はいなくなってしまうのではないか、と。 「………私はお前にずっとここにいて欲しかった。だから瑞鶴をずっと隠していた。…本当は、秋雲とこの部屋で会う前からいたんだ」 秋雲と再会する数日前、私は瑞鶴の建造に成功した。その時は瑞鶴に演習への参加をさせていたし、出撃も何度かさせていた。二度目の出撃で瑞鶴は怪我を負ったので入渠させ、翔鶴を出撃させていた。秋雲が瑞鶴の入渠中にここに来たことが、私を愚行に走らせた。私は瑞鶴を隠すことで秋雲をここに残らせようと思ったのだ。瑞鶴の所在を知らなければ、秋雲はきっと――――――そんな愚かな希望を抱いていた。 「うん。瑞鶴が基地にいるんじゃないか、って、何となく気付いてた」 私は目を見開いた。私はてっきり秋雲にはバレていないと思っていたからだ。秋雲は私の部屋にずっといて、部屋を出ようともしなかった。出たい、と言ったこともなかった。死んだ艦娘が戻って来たら周りは騒ぎになる。それを気遣っていたのか秋雲は外出する気配を見せなかったし、私も徐々に秋雲を外へと出したくなくなっていた。誰にも秋雲を見られたくなかった。むしろ、私以外に秋雲が見えるかどうかも定かではなかった。秋雲が私以外に見えない存在であるならば、「生きていない」と他人に証明されてしまうのなら、隠していたかったのだ。だから私は部屋に南京錠をつけたのだ。誰にも邪魔されないように、暴かれないように。 「だけどそうやって提督が瑞鶴を隠していても、こんな生活は長くは続かなかったんじゃないかなー」 「何故」 「秋雲が死んでから、もうすぐで四十九日だから」 「……もう、そんなに経ったのか…」 遠くでブーンと音がした。艦載機が不安定にゆらゆらとしながら空を飛んでいる。その横を無駄のない動きで真っ直ぐ飛んでいた艦載機があった。なんとなく、瑞鶴と加賀の烈風だろう、と思った。 「提督はなんで瑞鶴を隠さなくなったの?」 スー、ハー。私は深呼吸をした。 「………愛宕が言ったんだ、私は優秀な指揮官だと……だから落ち着いて冷静になって、って。その言葉を聞いた時、このままではいけないと思った。艦娘たちは私を信頼しているのに、…私は…上に立つ者としてその信頼を蔑ろにしすぎている、と気付いたんだ」 「そっかぁ」 秋雲は窓の縁にスケッチブックを置くと椅子から立ち上がった。私の前に歩み寄る。瑞鶴よりもさらに小さな体。小さくて、すぐに壊れてしまいそうだ。 「秋雲が現れなければきっともっと上手く瑞鶴や翔鶴たちと付き合っていられたかもしれないのに。秋雲がここにいたから、前に進むことができなくなったよね」 秋雲は私の腕を弱弱しく掴んだ。 「ごめんなさい」 エメラルドの瞳から私は目が離せなかった。そのまま私もその瞳の中に閉じ込められればいいのに、と妄想した。 「…謝るのは私の方だ。私のワガママでお前をここにずっと閉じ込めて悪かった」 秋雲は私を見ながら首を横に振った。 「…秋雲もここにいたかったから…提督と一緒にご飯を食べたり話したりして……楽しかったし面白かった。嘘じゃないよー?」 「そう言われると益々嘘のように感じてしまうな」 「なーにそれ!本当だってー」 ぷーと秋雲は頬を膨らませた。それが可笑しくて、私は笑った。すると秋雲は顔を歪に歪めたり、自身の頬を引っ張った。まるで赤ん坊をあやす行為だ。それが妙に笑いのツボに入ってしまって、思わず私は噴出した。秋雲も一緒に笑った。 ひとしきり笑い終わった後にねぇ提督、と私を呼んだ。 「私、お願いがあるんだけどさぁー聞いてくれる?」 「何だ?言ってみろ。無茶なこと以外は聞いてやろう」 秋雲は私から離れると本棚へ向かった。そこから一冊のスケッチブックを取り出した。表紙が黒色のスケッチブックだ。そのスケッチブックを私に差し出しながら、 「秋雲さんを描いてよ、提督」 願いが告げられた。 →続き
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87 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/14(土) 22 04 36 ID rr5V7JAk バレンタインSSを二つ投下します どちらも非エロです 91 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/14(土) 22 10 03 ID rr5V7JAk まずは鳥海のSSを投下しました 最初は書く予定がありませんでしたが バレンタイン限定ボイスを聞いて閃きました シリーズで鳥海を子持ちにしていたのでこんなネタにしました 母乳でミルクチョコレートが作れるのかどうかいくら調べてもわからなかったので もし間違っていたらその時はごめんなさい 「私の計算では、この甘さがベストなはず……あ…あの……このチョコレート、どうぞ…………」 私は勇気を振り絞ってチョコレートを愛する人…私の旦那様に渡しました。 想いが通じ合う夫婦の関係でも、こういう時は緊張するものです。 「ありがとう」 彼はそう言ってすぐに箱を開け、チョコレートを口にしました。 「………………」 「………………」 沈黙が流れました。彼の口に合ったでしょうか…… 「……おいしいよ、ありがとう」 「…よかったぁ……」 彼の喜んだ顔を見て私も思わず笑顔になっちゃいました。勇気を振り絞って渡した甲斐がありました。 別に夫婦なのですから特別勇気を出す必要なんてありませんけどね。 でももし口に合わなかったらと思ったら勇気を出さざるをえないでしょう。 「でもごめんなさい。私の手作りじゃなくて如月ちゃんに作ってもらったものですから」 「それは仕方ないよ。君は出産したばかりでまだ万全じゃないからさ」 「そうよ。それにレシピを考え、私がその通りに作ったものを食べて最終的な判断したのはあなたよ」 「でも如月ちゃん迷惑だったでしょう」 「気にしないで。私の方こそあなた達に迷惑をかけたし」 「おあいこですよ。私も似たような事で仕返しをしたわけですし…」 「まあ二人とも落ち着け。ああいう事があろうとなかろうと如月は作ってくれていただろうさ」 「そうですね…」 「ごめんなさい司令官。見苦しい争いを致しまして」 「いや、わかればいいさ……ん?電も欲しいのか?」 「いえ…」 遠慮しながらもチョコを欲しそうに見つめているのは 私達がいない間に秘書艦を勤めていた電です。 あの人が司令官になって最初に出会った艦娘でもあります。 「じゃあちょっとだけ食べてみるか?」 「鳥海さんが司令官さんのために作ったチョコレートですから…」 「いいんですよ。私も如月ちゃんも味見として結構食べましたから」 あの人の為に作ったチョコレートですから本当は全部あの人に食べてもらいたいです。 けどそんな考えは少し大人気ないかもしれません。 それに電ちゃんは秘書艦として私の代わりに頑張ってくれましたから少しは労わないといけません。 「いいんですか?……それじゃいただきます……」 そう言って電ちゃんは恐る恐るチョコレートを口にしました。恐る恐るなのは味がどうこうではなく、 『司令官の為に作られたチョコレートを自分が食べていいのか』という気持ちなのでしょう。 「……おいしい…ありがとう……」 本当においしそうに食べていた電ちゃんの素直な笑顔を見ていたら 私の小さな悩みもどこかへ吹き飛んでいきました。 「このチョコレート、なんていうか…… お母さんを感じるような味でしたけど、どんなものを入れたんですか?」 その言葉に私と如月ちゃんは一瞬言葉に詰まりましたが…… 「鳥海さんの愛ですわ」 「ん…そうですか…」 「お母さんの味って言うくらいだからミルキードリンクでも入れたんじゃないのか?」 「そ、そうですよ、よくわかりましたね!」 如月ちゃんの言葉やあの人の思い込みでなんとかこれ以上の詮索は避けられました。 私達の態度が少しぎこちなかったのもなんとか怪しまれなかったかもしれません。 楽しい時間はあっと言う間に過ぎていくものです。 「あの、司令官さん、そろそろお時間ですよ」 「わかったよ電。じゃ、行ってくる。如月、後は頼んだぞ」 「まかせてね」 そう言って彼らは部屋を出てまた仕事に向かいました。 「ふぅ…………でも鳥海さんって不思議ね。大胆なのは格好だけかと思ったら 司令官に渡すチョコレートとして 母乳で作ったミルクチョコレートを作っちゃうなんて……」 「ッ…………」 考えたのは自分なんですけど、他人に指摘されると流石に恥ずかしいです…… 「あら、赤くなってる。そうそう、そこが不思議なの。 大胆な格好や行動とかするかと思ったら急に恥ずかしがったり… というかなんでチョコに母乳を入れたのかしら?」 「私は出産したばかりで母乳が出るということでちょっとだけ試してみたかったんです。 試してみたら意外とイケました…それに母乳だったら愛がたっぷりな気がして…」 「そうね。母乳って母親が子供に与える無償の愛が形になったものですからね。 でも赤ちゃんにちゃんと飲ませないと司令官怒りそうですよ。 あの人妙な所でこだわる癖がありますから」 「赤ちゃんにはちゃんと飲ませてますよ。 使った母乳は赤ちゃんが飲まなかった分を使っていますから大丈夫です」 「……で、来年はどうするの?」 「来年は……」 「流石にまた母乳ってのは無理と思うわ。あなた達が頑張るのなら別だけど」 「来年のことを言うと鬼が笑うって言いますからね。来年のことは来年考えますよ」 「そうね。来年のチョコレートはあなただけの想いを込めてあげてね」 「如月ちゃん……」 少し寂しそうな顔をしていた如月ちゃんの姿が印象的でした。 私はこれから子育てと作戦立案と戦闘と大忙しになるでしょう。 でも私には希望があるから頑張れます。 私が生まれた日を祝ってもらう、あの人やあの子が生まれた日を祝ってあげる、 そして今日みたいな特別な日に大切な人へドキドキしながら想いを伝える…… そういうことを楽しみにしながら毎日を頑張っていきたいです。 人間、楽しみがないと生きていてつまらないですからね。 ―終― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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565 :名無しの紳士提督:2015/08/11(火) 15 36 04 ID YT7mZU.E 曙とばかりジュウコンカッコカリしてる提督の元に着任した、5人目の曙ちゃん 自分がこれからどういう運命を辿るか、個室に閉じ込めて大型プロジェクタでビデオ教養してあげたい 1人目の曙の場合 最初に提督とケッコンした曙ちゃん。すっかり提督とラブラブだね 曙1「アアァン……! おく、そんな奥こりゅこりゅされたら……溶けちゃう、赤ちゃんの部屋溶けちゃうぅ」 曙1「ふぁあ……提督、好き、すきぃ。大好きィ……!」 正常位でガンガン突かれながら、何度も提督に愛を誓う曙ちゃん(1人目) 曙1「ぅん……シて? アタシのお腹の奥、アンタの精液でいっぱいにして……」 曙1「アタシ、絶対産むから…アンタの赤ちゃん。だから、だから出して! せーえき、子宮で受け止めさせてェ!」 毎夜毎夜、甘~く睦み合いながらの濃厚種付けセックス 最初は恥ずかしがってた中出しおねだりも、今では手慣れたもの 子宮の中まで提督のモノに貫通されて、何度も何度も特濃精液を受け止める曙ちゃん(1人目) この調子なら赤ちゃん孕むのももうすぐかな? 2人目の曙の場合 曙ちゃん(1人目)に先にケッコンされちゃった曙ちゃん(2人目)は、指輪でケッコンではなく、主従契約を結びましたとさ 曙2「あ、やっと来てくれた! えへへ、御主人様♪ ……漣の真似してやってみたけど、やっぱりこっ恥ずかしいわね」 曙2「そ、それじゃ、今日もいっぱい私でヌいていってね、『御主人様』?」 手、口、髪の毛等々、全身を使って提督に奉仕する曙ちゃん(2人目) セックスは御主人様へ奉仕するために騎上位。でも、提督の精を搾り取るにはまだまだ鍛錬が足りないみたい 曙2「ぁ、ひっ……ダメ、もうダメぇ。おっきぃ、御主人様のおっきすぎるぅ!」 曙2「だって、だってずっと子宮でキスしてる……もう腰抜けちゃってるの、動けないのぉ」 騎上位で繋がったまま腰を抜かしちゃう曙ちゃん(2人目) 亀頭の熱さで子宮口を灼かれ続けて、ビクンビクン震えちゃってる これじゃあ御主人様の膣内射精はまたお預けだね ご主人様の精子に卵子を犯してもらうのは、一体いつになるのかな? 3人目の曙の場合 着任当初、「アンタなんかに絶対、ぜっっっったい私の初めてはあげないんだから!」と宣言した曙ちゃん(3人目) その約束を守って、ケッコン後もヴァージンを守ったまま、提督専用のアナル姫に 曙3「ぁ、その、今日もお尻、なんだ? そう。……ま、まぁ構わないけど!」 ベッドの上に四つん這いになり、お尻部分がハート形に切り抜かれたえっちな下着を見せつける曙ちゃん(3人目) まだ触られてもいないのに、小さなお尻の穴はふっくりとほぐれて、溢れ出た腸液でぬらぬらと濡れちゃってるね 曙3「ふぁぁあん……♪ やさしぃ、アンタの舌優しいよぉ」 曙3「閉じなくなっちゃう……。そんなに優しく舐められたら、アタシのお尻蕩けて開きっぱなしになるぅ」 曙3「して、せっくすしてぇ……! アタシのお尻、アンタのだから! アンタ専用なんだから、いっぱいシて思い知らせてよぉ!」 ディープキスをねだってお尻を高々と突出し、ふりふりと腰まで振っちゃう曙ちゃん(3人目) 直腸の奥深くまで提督のペニスを受け入れて、愛する提督の射精を何度もお尻で受け止める 曙3「ぁ、イく、子宮イくぅ……。おしりでせっくすしながら、子宮イくぅ――」 うっとりと呟いた直後、触れられてもいない秘裂から、ぷちし…プシュシュシュ――――! と、まるでお漏らしのような大量潮吹き 提督の精液が欲しくて、子宮が勝手に準備整えちゃったんだね 我慢できなくなって提督におねだりするのも、そう先のことじゃなさそうだね 4人目の曙の場合 最近着任した曙ちゃん(4人目)は、まだ完全には提督に心を許していないみたい 曙4「っ、この、早く終わりなさいよこの短小! アタシはアンタなんかに、アンタなんかにぃ……ふぁ」 曙4「ぁ、ぁ、ぁ……ヤダ、ゆっくりしないでよぉ。やだ、おまんこ絡みついちゃう、アンタの形思い知らされちゃぅ……ぁぁん」 これまで3人の曙とジュウコンカッコカリしてきた提督には、この程度の憎まれ口も慣れたもの 正常位で繋がり、提督のねっとりした腰使いで少しずつ開発されちゃう曙ちゃん(4人目) 曙4「ぅあん、ぁあぁあ……そこ擦られるの、なんかヘン……ひぁっ!? ソコっそこダメっ! 出ちゃう、なんか出ちゃうぅ!」 もう曙ちゃん(4人目)の弱いところ、ぜーんぶ提督に知られちゃってるね 襞の一枚一枚を愛撫されるようにゆったり出し入れされて、充血したGスポットをねちっこく擦られて、 何度も何度もイかされて、繋がったままだらしなくお漏らしまでしちゃう曙ちゃん(4人目) 曙4「ぇ? 膣内、に……? っ、ダメっ絶対ダメっ!! だってアンタ、アンタ1回じゃ終わらないじゃない……!」 曙4「アソコ、もう蕩けちゃってるのに……アンタのにぴったりになっちゃってるのに!」 曙4「今、今あんな濃ゆいの出されたら、膣内(ナカ)に何度も出されたりなんかしたら……」 曙4「あ……あ……、お、堕ちたりなんかぁ……」 大分頑張ってたみたいだけど……そろそろ限界かな? ちょっと前までは、連続で膣内射精されても提督を睨み付けるくらい気迫があったのに 今はもう、やがて来る膣内射精の予感にすっかり顔が蕩けちゃってる 用意してある4つ目の指輪、どうやって渡そうか楽しみだね さあ、ビデオを見ただけでパンツをぐっしょり濡らしちゃった、とってもえっちな曙ちゃん(5人目)? 君は一体どうやって提督のモノになるのかな? 楽しみだね
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「うむ、よくやった」 「でしょー?」 本日の成果は九九艦爆、瑞雲、烈風、謎ペンギン。言うまでもなく装備の開発である。 我が鎮守府の台所事情はこういった組織の例に漏れず厳しく、決戦時はともかく日々の鍛錬に戦艦娘たちを存分に活躍させる余裕は残念ながら無い。 必定、主なダメージソースは空母や軽空母たちに頼らざるをえず、性能の良い艦載機の開発は急務だった。 前任の艦載機開発担当であった赤城さんは、戦力面では申し分なかったものの装備の開発は苦手だったようで、現在は赤城さんを引き継いだこの蒼龍が、秘書兼艦載機開発を担ってくれている。 「ちょうど空母が増えて艦戦が足りなくなっていたところだ。 そろそろ零式52型は引退だな。いつもながら助かるよ」 「へへ、もっと褒めてくれてもいいんですよー?」 彼女はたしかに戦力面で一航戦に劣るものの、装備の開発は比較的得意なようで、現在うちに配備されている強力な艦載機たちのほとんどが彼女の手によるものだ。 「千歳型、飛鷹型に鳳翔、祥鳳…うちの軽空母たちにも最新型がほぼ行き渡ったしな。 これで鍛錬や撃退任務が捗る。これからも頼むよ」 「うん、任されよう!」 加えて、彼女は装備開発を褒めるとたちまち上機嫌になるのだ。『以前』は褒められ慣れていなかったのだろうか。 何にせよ、どんな娘でも自分の言葉で喜んでもらえるなら嬉しいものだ。 「欲を言えばまだ少し足りないが、一段落したし…そうだな。蒼龍には褒美を与えよう」 「え…褒美…ですか?」 「そう、ご褒美だ。装備以外にも秘書として日ごろ世話になっているし、君の働きには報いてやらないとな。 何か欲しいものはないか? 貧乏なうちでもボーキサイトの1000や2000なら出してやれるぞ。 あるいは休暇とか、間宮さんアイス食べ放題とか…」 「それは…確かに魅力的だけど…」 ? 何やらちょっと様子が変だ。申し出が気に入らなかった…わけではないようだが。 まさか、もっと大それたものをご所望なのだろうか。先ほど言ったボーキ2000は結構奮発したつもりなのだが… 「…そうですね。提督、あれ何ですか?」 「ん?……っっ!」 蒼龍が指差した方向に気を取られた瞬間、俺の視界いっぱいに彼女の顔が映り、唇に何か柔らかい物が触れたのだ。 一瞬の出来事。 蒼龍はすぐに離れたが、俺は椅子に座ったまままるで石になったみたいに動けなかった。 次第に事態を飲み込み、理解し、今更ながらに頬が熱く、鼓動が早くなっていく俺をよそに、 「ひひっ、ご褒美。頂いちゃいました」 いたずらっぽく、しかし俺と同じくらいに頬を染めて笑う蒼龍の姿があった。[newpage] *** 元々俺は何か下心があって彼女を秘書に任命したわけではない。 当時、艦載機開発が期待できるのは、それが不得手な赤城さん以外に蒼龍しかいなかった、というだけである。 試しに彼女にやらせてみたら、しょっぱなから流星と彩雲を引き当て、めでたく開発要員と相成ったのである。 それからは彼女の相方である飛龍を始め正規空母も揃ってきたが、ゲン担ぎもあり艦載機の開発と、ついでに秘書も蒼龍に頼んできた。 そこに他意はなかったが、先日の一件以降、当然というか何というか。俺は蒼龍を意識せざるを得なくなった。 というのも… 「…21型零戦、零式水偵、謎ペンギン、流星改…か。流石だな」 「へへー。…提督、またご褒美…欲しいです」 「…っ」 俺の直ぐ側まで身体を寄せて囁く蒼龍。 そう、彼女は装備開発が成功するたびに、その、『ご褒美』をねだるようになったのである。 や、別に、決して嫌というわけではない。むしろ望外の慕情を向けられることには未だに現実感はないものの、間違いなく嬉しい気持ちの方が大きい。 しかし、俺はこの手のことに決定的に疎かった。慣れていなかったのだ。 ましてや俺は提督、艦娘たちの全てを背負う立場である。特定の艦娘に肩入れすることなど決してあってはならないのであり、 「…ちゅ、はむ、ぅぅん…ぷぁ」 俺が思考を空回りさせている間に、蒼龍は俺の肩を抱いて唇をついばみ、舐っている。 困ったことに『ご褒美』は回を重ねるごとにエスカレートしており、唇を触れさせるだけの行為から、次第に情熱的な、舌と唇を積極的に絡ませる、恋人同士のするそれと変わらないものになっていた。 どうすればいいかわからない俺は、ただぼんやりと彼女の蕩けた表情を眺めながら、柔らかい女性の唇と唾液の生々しい匂いを感じることしかできないでいる。 「ちゅ。ふふ、ごちそうさまでした…提督、また、期待しててくださいね。 …もちろん、装備の開発に…ですよ?」 あどけない顔つきとはチグハグな艶っぽい声で終わりを告げられ、俺も夢から覚めたように執務室を見渡す。 蒼龍は何事もなかったかのように自分の席に収まり、仕事を再開している。 おそらく俺が頼んだ、遠征結果と戦意高揚状態の相関を調べるデータの整理だろう。 しかしその頬は上気したままで、表情もどこか嬉しそうな―― 「!」 不意に目線を上げた蒼龍とまともに目が合ってしまった。 慌てて自分の仕事を再開するが、俺の心臓が平静を取り戻すにはもう少し時間がかかるようだ… *** 「…」 報告書をめくりながら、俺は内心驚いていた。 確かにレベリングはそれなりに熱心にやったが、難所であると思われていたカスガダマ沖海戦を、我が第一艦隊はわずか5回のトライでHPゲージを削りきり、あっさりと突破してしまったようだ。 「どーですか司令!私だってやれば出来るんですよ!金剛お姉さまと一緒なら誰にも負けません!」 「ワタシもexcite fightしたんですヨー?でも、敵に与えたdamageは榛名には敵いませんけどネー!」 「そ、そんな…榛名はただ、夢中で…」 「吾輩にかかれば、この程度当然だな!」 「潜水艦は徹底的に無視。潜水艦に攻撃できない艦を集めて夜戦で止め。 私の計算と司令官さんの戦術、ばっちりはまってましたね。さすがです」 「…ああ。お前たち、よくやってくれた」 いつになく執務室が賑やかなのも無理もない。ここ最近になかった大戦果だからだ。 特に、ボスにとどめを刺しMVPまでかっさらった利根は鼻高々である。 しかし、俺の目線が吸い寄せられるのは… 「いやあ、さすがですね皆さん。私が支援した甲斐がありました」 「oh!蒼龍が敵の艦載機をほとんどstrikeしてくれたから私達砲撃に専念できたネ!Nice assistだったヨ!」 「むう…確かに敵のヒコーキはほとんど飛んでこなかったな。吾輩も楽だったぞ」 「今回の蒼龍さんには防空を全てお任せしてましたからね」 そう。今回蒼龍はダメージ源となる艦攻隊・艦爆隊を一切積まず、艦戦と彩雲のみを載せた極端な構成だったのだ。 夜戦重視の戦術のため普段は2隻入れている空母を一隻に減らし、その分艦攻隊・艦爆隊を積むスペースが無くなってしまったのである。 結果、蒼龍は火力的には一切貢献できない構成となってしまった。もちろん、指示したのは俺である。 勝利するためとはいえ、昔からの付き合いである彼女を完全に裏方に回す形にしてしまうのは正直心苦しかったのだが、この戦果ならきっと彼女も納得してくれることだろう。 が… 「提督…私、今回すっごい地味でした」 第一艦隊の面々が意気揚々と自分たちの部屋へ引き上げたあと、取り残された形となった蒼龍がつぶやいた。 「…仕方ないじゃないか。彩雲と艦隊をカバーする分の烈風を積んだら艦攻艦爆積めないんだから」 「じゃあ、じゃあ、艦載機数の多い加賀さんを使えばよかったじゃないですか!」 「い、いや、確かにそうなんだが…」 何故か不機嫌である。いや、不機嫌とは少し違うような…? 「提督、加賀さんもちゃんとレベル上げしてたじゃないですか。私、知ってるんですよ!」 「そりゃお前はずっと秘書艦だったしな…」 「じゃあどうしてですか」 お前を外したくなかったからだ、などと恥ずかしくて言えない。 「…まあいいです。そりゃあ、私だって僚艦の防空は大切な仕事だってわかってますよ。 でも、私も攻撃に貢献して、MVPを取りたかったんです。…提督のために」 最後に付け足された語に激しく動揺しているのが自分でもわかる。 「い、いや、蒼龍はよくやったよ。蒼龍がいなかったら今回の勝利は覚束なかった」 「本当ですか?」 「ああ。真のMVPはお前だ」 「じゃあ…『ご褒美』、下さいよ。いつもより、豪華なの」 ようやくわかった。不機嫌ではない、これは… 「今夜…部屋で待ってます、からね…」 思わぬ追い打ちを食らい、固まった俺が気づいた時には、彼女は既に執務室からいなくなっていた。 *** 無論いくら疎い俺でも、蒼龍のセリフがどういう意味を持ってるのかぐらいはわかる。 残っていた仕事を終わらせ(まるで手に付かなかったのは言うまでもない)、身を清めた俺は、神妙な心持ちで空母寮を訪れ、蒼龍の部屋の前に立っていた。 意を決して、ノックする。 コンコン。 「はーい、どうぞ」 いつもと変わらぬ…ように聞こえる蒼龍の声に幾分平静を取り戻した俺は、ぎこちない動きでドアを開けた。 「ふふ、いらっしゃい」 「ああ…」 艦娘たちの部屋は簡素ながら、要望に応じて和室と洋室に振り分けている。蒼龍の部屋は和室である。 勧められるままに座布団に座った俺は、事前に何回もシミュレートした通り口を開いた。 「蒼龍、今回は本当によくやってくれた。感謝して――」 「もう提督、それはさっき聞きましたー。もちろん嬉しいですけど、私が欲しいのは『豪華なご褒美』ですよ」 「う…」 いきなり予定が狂ってしまった。仕方あるまい…いくらか段階をすっ飛ばすことにする。 「蒼龍…隣に座ってくれるか?」 「はい♪」 いかにも嬉しそうに、蒼龍が俺の隣に収まる。 それだけではなく、じいっとこちらを見続けている。正直気恥ずかしくてしょうがないのだが、目線を逸らすといろいろアウトな気がして外せない。 出所不明の義務感に突き動かされ、俺の腕は半ば無意識的に蒼龍の背中に回っていた。 「蒼龍」 「はい」 柔らかい。温かい。名を呼びながら抱きしめるだけで、こうも気持ちが昂るものなのか。 こいつが愛しくてしょうがない。 「よく…やってくれた。お前は最高の空母…いや、艦娘だよ」 「…はい」 「これからずっと、俺の秘書をやってくれるか」 「…! ず、ずっと、ですか?」 「そうだ。ずっとだ。…嫌か?」 「嫌じゃ、ない、です、けど…驚きました。提督はもっと奥手だと思っていたのですが」 しまった、すっ飛ばしすぎたか。 「でもそんな…土壇場で突っ走っちゃう提督も…好きです」 その言葉に心臓が跳ね上がりそうになる。ただでさえ人生最大速度で鼓動しているというのに。 改めて蒼龍を見つめる。 濡れた瞳。柔らかそうなほっぺ。龍の髭のような紐でしばった、幼い印象を際立たせる二つのお下げ。 今までさんざん見てきた顔のはずなのに、吸い込まれそうな錯覚に陥る。 いや、実際に吸い込まれていた。いつの間にか、俺は唇を重ねていた。 「あ…ん…んふ…ちゅ、ん…ああ…」 今までとは違う自分からするキスの、なんと甘美なことか。俺はひたすらに蒼龍の唇を、舌を、貪った。 ひとしきり堪能した後、ようやく口を離した。銀色の橋がぷちりと千切れる。 「…嬉しいです。キス、提督からしてくれたことなかったから」 「すまん」 「最初の時だって、私、ものすごく勇気を出してやったんですよ?」 「…すまん」 「でもやって良かったです。私がああでもしなきゃ、提督は私のこと、意識してくれませんでしたものね」 「…ああ。感謝してる」 「何言ってんですか。感謝してるのはこっちの方ですよ」 「え?」 「私…ずっと怖かったんです。正規空母の中じゃ弱いし、そのくせ燃費は正規空母並だし。 隼鷹や飛鷹なんか、私とほとんど艦載機数が変わらないのに、燃費はずっといいし。 飛龍は私よりずっと運がいいし…正直、客観的に見たら、あえて私を使う理由なんて殆ど無いんです… 提督の気まぐれで第一艦隊に、秘書にされたんだろうと。 どうせ私なんてすぐ外されてしまうだろうと。そう思ってました。 …なのに提督は、私を重用して下さいました。そればかりか、秘書に据えて、艦載機開発まで任せていただいて。 私はたまたま最初にホロ装備を出したってだけなのに。 いい装備が出るたびにびっくりするぐらい褒めてくださって… 嬉しかった…」 …そうか。あの喜びようにはそういう事情があったのか。 偶然だが、俺が艦載機担当に据えたことが他の空母たちに感じていた劣等感を和らげていたのか。 しかし…と、よせばいいのに思わずネタばらしをしてしまう。 「…それは、赤城さん以外に艦載機開発できるのがお前しかいなかったというだけで」 「でも、飛龍や瑞鶴たちがうちに来ても、提督は私を外しませんでしたよね?」 「そりゃまあ、そうだが…」 「どうしてですか?」 「…考えたこともなかった。お前を外すなんて選択肢、端から無かった…だけ…」 …うん?ということは、つまり、…そういうことなのだろうか? 「提督ったら、やっぱり自覚なかったんですね。ほんとうに可愛い人です。 とにかく、私だって提督に、とっても救われてたんですよ。そこが重要なんです。 おかげで、私は二航戦の誇りを保つことが出来ました。だから…大好きです」 再び心臓がドクンと跳ね、思わず蒼龍を抱きしめる腕に力が入る。 触れ合ってる場所が馬鹿みたいに熱く、頭の中も茹だっているのがわかる。 乱暴にはすまい、という理性の欠片を必死に保ち、彼女を抱きしめたまま囁く。 「…いいか?」 「私が誘ったんです。してくれなきゃ怒りますよ。あ…でも…明かりは消して欲しいです…」 立ち上がるのももどかしく、片腕で蒼龍を抱いたまま膝立ちで電灯の紐を引く。 部屋がふっと暗くなり、窓から差す埠頭の街灯だけが、お互いの輪郭を浮かび上がらせる。 「ん…他には…?」 「…なるべく、優しく…でも激しく…してください…」 目を伏せて、ぎりぎり聞き取れる声でおねだりする彼女は、たまらなく淫靡だった。 *** 「…触るよ」 「ん…」 布団に横たえた蒼龍に寄り添って、柔らかそうな胸に手を伸ばす。 名前通りの蒼い着物はしっかりとした布地だが、そこから伝わる感触は女性特有の柔らかさ。 今までは気にはなってもあえて目を向けまいとしていた、その中でも一番柔らかい場所に、俺は今触れている… そのことに得体の知れない充足感を覚えながら、俺は愛撫を始める。 「んっ …ふ…んんぅ…」 「蒼龍の胸、見せて」 「…あ…っ」 紐をゆるめ、着物を開き肌を露出させると双丘がこぼれ出る。 蒼龍の胸は大きめだが、戦艦娘たちのように形がしっかりしているわけではない。 おそらく服が比較的ゆったりしているのもあるだろうが、仰向けになった蒼龍の胸はやや潰れ、 いつも見るよりは小さい印象を受ける。 「…あ、あんまり見ないで、ひゃんっ…! あ…んん、ん…」 しかしその分、柔らかさは尋常ではない。 しっとりと汗を帯びた、まるで搗きたての餅のような乳肉を撫でるたび、蒼龍の口からは悩ましげな吐息が漏れる。 闇の中でふるふると震える乳首にむしゃぶりつきたい衝動をこらえつつ、 あえてそこを避けて優しくキスをし、舌を這わせて愛撫していく。 同時に袴の中に手を差し入れて、熱を帯びた大腿を撫でる。 「は…ぁ…! ん…」 触れる度に蒼龍の体はぴくりと反応するが、拒絶されているわけではなさそうだ。そのまま鼠径部や恥丘を下着の上から指を這わせ、蒼龍の劣情を煽っていく。 「うう…提督…っ」 「何だ…?」 「…っ 提督って…意外に意地悪なんですね…」 「そうか?」 「そうですよぉ…」 そろそろだろう。自分の指を舐めて濡らし、コリコリと尖った乳首に自分の唾液を塗りつける。 「ひぃんっ! は、て、いとくぅ、それビリって、んん、ん…っ!」 ヌルヌルになった乳首をそのまま指で転がし、軽く摘み上げる。 反対側の乳首は直接口付けし、舌で転がす。汗の塩気と、かすかに甘みを感じる… 「ん、んんっ…!は、ひゃんっ…はぁ、はぁ、あ、くぅん…」 「甘い…」 「な、何言って、! あ、そこ、は、ああっ…!」 ぐしょぐしょに濡れそぼった下着の上から、今度は肉豆と割れ目を強く指でなぞると 蒼龍は鋭い嬌声を漏らした。 「やあっ…提督、直、にぃっ…!」 精一杯のおねだりにこちらが我慢できなくなり、下着に手を突っ込み蒼龍の恥丘と性器全体を直接手のひらで覆う。 秘裂がちょうど中指にぴったりと当たり、ぬちゅりとした温かい感触を指の腹で撫でると、蒼龍の喘ぎ声がひときわ高くなる。 そのまま、しとど濡れた肉のスリットに指を潜り込ませて、膣内の浅い場所をクチュクチュと弄る。 「ひぃんっ…はぁっ、はあ、あっ、あ、あぁ、指、ぃぃ…っ、! そこ、ぞくってぇ…」 中指の根本がクリトリスを押しつぶすたびに蒼龍はビクビクと痙攣し、膣内の指を締め付ける。 いつの間にか蒼龍の腰は俺の指を誘い込むように艶かしく動き、手のひらと下着はべっとりと愛液で汚れている。 「…下、脱がすよ」 「やぁっ…」 「嫌?」 おそらく反射的に答えただけだろう。俺の問に目をぎゅっと瞑ったままふるふると首を振って応える蒼龍。可愛い。 完全に用を為さなくなった下着を丁寧に脱がすと、ついに蒼龍は一糸まとわぬ姿となった。 蒼龍の秘所を暴こうと、俺の腕が勝手に動き蒼龍の足を広げ、ソコを完全に曝け出す。 「や…やだぁ…そんな、見ないで…」 見るなと言われても目が離せない。暗さに慣れてきた目には、性器の周りにぽやぽやと生えた陰毛や、勃起しピンク色に光るクリトリス、ぷっくりと充血し開いた陰唇、その奥でヒクヒクと蠢く濡れた肉穴まではっきりと見て取れた。 発情し開花したソコは今まで見たどんなものよりも卑猥で、俺は思わず彼女の股間に顔を埋める。 「ひあっ…!?舐め…っ うぁっ…ふ、ふぅっ!ん、んぁっ、は、はぁんっ!」 汗と女の生々しい匂いがむわりと顔を包む。 そのまま舌を秘裂に沿ってなぞり、小陰唇の奥に隠された尿道口と膣口を丁寧に舐め上げる。 膣口に差し入れると愛液がじわりと滲み出て、膣腔内を吸い上げる度にずじゅじゅう、ぶぢゅるるうという下品な音が部屋に響く。淫らに発情した蒼龍の味と匂いを、俺は夢中で味わった。 「あ、いいんっ、音立てないでぇっ…! 舌、あ、たま、ふわふわって、私ぃ、はぁんっ…」 もちろん音はわざとである。 蒼龍の愛液を存分に堪能し、目の前で存在を主張している陰核に舌を這わせながら、膣内に指を差し込みかき混ぜた。 「蒼龍のここ、すごい大きくなってるぞ…」 「やあ…っ そん、な、こと… !!そ、れ、舐めちゃ、ひ、ひゃんっ… …はぁっ、はあ、あっ、あ、あぁ、指、ぃぃ…っ、! な、か、そこ、ぞくってぇ…」 どうやら膣内の性感帯を探り当てたようだ。ソコを指の腹でトントンと叩きながら、クリトリスを包皮ごと口に含み、思い切り吸い上げた。 「やぁ、はぁんっ、いっ…!? そ、こ…ああああぁぁっ…」 蒼龍は腰を浮かせながらブルブルと震わせ、数瞬後ドサリと布団に落下する。 指を引き抜くと、大量の愛液がゴポリと溢れでた。 「はぁ…はぁ…提督…すごいですよぉ…あっ、あむ…」 くたりと身体を弛緩させた蒼龍はたまらなく扇情的で、俺は思わず彼女の口にむしゃぶりついていた。 「むっ…んん…っ…ん、あ、ていと、んむぅっ…ちゅっ、ちゅうっ…」 舌を絡め合い、唾液を舐め取り、自らの唾液を蒼龍の口内に送り込む。 先ほどとは違う、犯すような、搾取するような激しいキス。 蒼龍の体液を摂取しているという事実にどうしようもなく興奮し、脳が熱暴走を起こしている。 「…ぷはっ! はぁっ、はぁっ、て、ていとくぅ、息できませんよぉ…」 「すまん…蒼龍があんまりにもエロ可愛くて」 「っ そ、そういうこと言うのやめてください…」 「蒼龍の口もアソコも美味しかった」 「ちょっ!だ、だからぁ…」 「次は、蒼龍がしてくれると嬉しいな」 「……!!」 調子に乗って言葉責めを重ねると、蒼龍は完全に固まってしまった。 …少し調子に乗り過ぎたかもしれない。引かれてしまったか…? だんだん不安と後悔が大きくなっていく俺の視界が突然回転し、蒼龍の顔がすぐ前に…否、上に位置する。 ちょうど俺が蒼龍に押し倒された格好で、どうやら体勢が逆転してしまったようだ。 「提督のご希望、よぉっくわかりました。そこまで仰るなら私も遠慮はしません。 今まで私が提督にしてあげたかったこと、存ッ分にやらせていただきますね…!」 鼻息荒く迫る蒼龍。あれ…?なんか俺、変なスイッチ入れちゃった…? 「はむぅっ!?…ん、んぅ…あ、あう、そう…むふぅ…!」 誠に残念ながら、これは俺の声。 そう、つい先程とは逆の構図。蒼龍が俺に覆いかぶさり口内を舌で蹂躙しているのである。 次々と蒼龍の唾液が送り込まれ、溺れそうになる俺。逃げようにも頭をがっちりホールドされてるので逃げられない。 限界に近いところでようやく口が解放された。 「ぷはっ、はっ、はっ、そ、蒼龍、お前…」 「やっぱり私の提督はとっても可愛いです ささ、楽にしてくださいね…♪」 丁寧にシャツを剥がされ、夜気に曝される俺の肌に蒼龍の熱い柔肌が直接重ねられる。 「ちゅ…れろ、ちゅ、ちゅぷ…ふふ…んちゅ、ぺろ…」 耳、頬、首筋。蒼龍がキスするたびにくすぐったいぞわりとした快感と、蒼龍の髪の匂いが鼻を撫でる。 次いで肩甲骨、喉、胸元にキスの雨と舌が這いまわり、乳首が弄ばれる。 「そ、蒼龍…」 「だぁめですよ、今は私がしてるんですから」 胸、鳩尾、臍、下腹部… 俺の肌の上をぬらぬらと這いまわる舌はだんだん下の方にずれていき、ズボンを脱がされ、屹立した下着のテントに到達する。 「はぁ…提督の、こんなに…んっ…ちゅ…ちゅ… 興奮してくれてるんですね…嬉しいです…ちゅ…はぁ…」 下着の上から先端にキスされるたび、布越しに唇の柔らかい感触が伝わる。 「んぅ…んふぅー…んっ、ん、ん…」 更に口に含まれ、舌で弄られている…らしい。下着越しにされているため確証が持てない。 何より、もどかしい。 「ふーっ…すぅー…はぁ…これが…提督の…」 おまけに匂いまで嗅がれているようだ。やばい。風呂に入ってきたとはいえ、こいつヤバイ。エロい。 そうこうするうちに下着まで脱がされ、限界まで勃起した肉槍が蒼龍の目前に曝される。 「…すごい…」 トロンとした目で俺のモノを見つめる蒼龍。恐る恐るといった動作でそれを手に取り、顔を近づけていく。 「んっ…すーっ、ちゅ…すごい、エッチな匂いと味…あっつい… ちゅ、れろぉーっ、にちゅ、はーっ、れりゅ、ちゅ、ちゅっ、はーっ、はーっ、んちゅううう…」 竿に舌を這わせ、根本から舐め上げ、先端や裏筋にキスの雨を降らせる蒼龍。トロンとした目で時折こちらを見遣るのが堪らない。 「ふふ…提督の、しょっぱくて先っぽからヌルヌルが出てますね…もっとしてあげますから、気持ち良くなってください…」 いかん。なぜ俺が恥ずかしいのだ。普通逆ではないのか。 いや…しかし俺もついさっき蒼龍に同じことを…蒼龍は同じことをしてくれているだけ… 「うわっ!?そ、蒼龍、そこは…」 「男の方も、ここは気持ちよくなれるって聞きましたよ?」 つ、つっと指先で撫でられる俺の菊門。やばい、こいつヤバイ。 それにこいつ今、「も」って言わなかったか!? 「でも初めてなのにちょっとやりすぎですよね…今回は撫でるだけにしておきますね♪ …ぁむうぅ」 「うぁあっ!?」 大混乱から立ち直る間もなく突然俺の陰茎が生暖かいものに包まれた。 先端を咥えられたままカリ首に舌が這いまわり、鈴口が刺激される。 「んっ、んぷ、んっ、んんん…ぷぁっ、はっ、んんっ、じゅじゅちゅうっ、はぁ… あむ、ぐぷっ、じゅぷあっ、はあっ、あむっ、んっ、んん、ううんっ♪」 くぐもった吐息と淫らな水音、陰茎への刺激、何より蕩けた顔で俺のモノを一心不乱に舐めしゃぶる蒼龍の表情が 劣情と射精欲を煽り立てる。 「ぷちゅぅ、ぐちゅ、くちゅっ、ちゅぷっ、あはぁ…はむぅ、ちゅろっ、ぢゅろっ、くちゅる、ぢゅうううっ…」 「お…いっ、そう、りゅう、ダメ…だっ…!」 「んー…?ひもひよふにゃいれふか?」 馬鹿、シながら喋るな変な刺激がっ…! 「ちがっ…よすぎて、出ちまう…っ」 「んふー♪ …ちゅる、じゅ、ふぁ、ん、んぶぅ、ちゅぷ、ちゅっ……ぢゅるるるるっ!」 むしろ一層情熱的にフェラチオを再開する蒼龍。その嬉しそうな顔を見た瞬間、ついに我慢が決壊する。 びゅ、びゅぶぅっ!どぐっ、どぐっ…どぷっ… 「んぷっ!?ん、ん~っ ぷはっ、こほっ、うわ、わっ…」 たまらず蒼龍が吐き出した精液が俺の下腹部にぼたぼたと垂れ、 それでも収まらない射精が蒼龍の顔を白濁液で汚していく。 「これが…提督の精子…なんですね… …ふふ、エッチな味と匂い」 「す、すまん、口の中で…うわっ!?」 じゅずずぅ、ぴちゃ、ちゅぱっ… なんと蒼龍は俺の腹に落ちた精液を舐め取り始めたのだ。 馬鹿、やめとけという言葉も聞かず夢中で俺の子種を啜るその姿はどうしようもなくエロくて、 俺の制止の声はだんだんと掠れて消えてしまっていた。 ちゅぷん、と萎えてしまった俺の陰茎に残った精液まで吸い出して、蒼龍はニカッと笑う。 「ごちそうさまっ♪」 「お、お前…お前…」 得意げな顔で俺の胸に抱きつく蒼龍。 「馬鹿だな、飲まなくていいのに」 「違いますよ、私が飲みたかったんです。…そりゃ、味はあんまり良くなかったですけど。 私で気持ちよくなってくれた、好きな人の精子なんですから。飲んであげたいに決まってます。 それに、提督の精子ですよ?…興奮するじゃないですか」 「…お前がそんなにエロいとは知らなかったよ」 「なーに言ってんですか提督。提督だって私のを飲んだじゃないですか。エロいのはお互い様です。 お、おまけに…美味しかった、だなんて…」 「う…あ、あれは…」 思い出させるな顔から火が出る。 しかし言われてみればその通りである。その通りであるが、ちょっと想像と違ったというか、 艦娘はもう少しお淑やかであって欲しかったというか… 「というか、いやに手慣れてないか?本当に初めてなのか?」 「あのですね提督…私達の生活、ご存知ですよね? 今までそんなコトする暇なんてありませんでしたし、第一相手がいませんよ」 「いやまあ、確かにそうなんだが…あんなことの知識はどこから…」 「秘密です。でも、私がやったことぐらいの知識はだいたいみんな知ってますよ? 駆逐艦の子たちでも知ってる娘がいるくらいですから」 「…オゥ…」 なんということだ。我が鎮守府がそんな事態になっていたとは…恐ろしい。 「そういう提督こそ、なんか手際良かったですよね… 女っ気の全くない生活をしてらっしゃいますが…実は女性経験が結構お有りで?」 「き、企業秘密だ」 「ほらぁー」 ご想像にお任せします。 「…私達だって、女の子ですから。そういうことに興味はあります。 私も提督にアプローチした時から、いつかこんな時が来るかなって…考えたり、れ、練習したり…」 バカヤロウ、何突然エロ可愛らしいこと言ってんだ。おかげで元気になっちまったじゃねえか。 「あ…提督の…」 蒼龍も気づいたらしい。改めて蒼龍を組み敷いて抱きしめながら、耳元で囁く。 「…挿れるぞ」 「はい…私でいっぱい、気持ちよくなってくださいね…」 そそり立つ怒張をあてがい、ゆっくり、ゆっくりと腰を進める。 「っ」 ペニスが、蒼龍の充血した小陰唇を掻き分け― 「っう、ううっ…」 膣口をこじ開け― 「くうっ…あ、ああっ…」 処女膜を引き裂き― 「あ…あ…っは、はうっ!はっ、はっ、あ…」 遂に最奥に到達した… 「ぜん、ぶ、入りましたか…?」 「ああ…大丈夫か…?」 「は、はい…痛いけど…痛いのも…嬉しいです…」 クソッ、どんだけ可愛いんだこいつは。 「提督…このまま、ぎゅっとしてください… …あと、キスもしてください…」 言われなくても。 存分にお互いの唾液を交換し合ったあと、頃合いを見計らいゆっくりと腰を動かし始める。 「っ!」 「だ、大丈夫か?」 「はい…ちょっと痛いけど…平気…動いてください… 私、は、提督と繋がってるだけで…っ、あっあ、んんっ…」 いちいち興奮させるようなことを言うな。加減できなくなる。 ピストン運動は控え、ゆっくりと円を描くように腰を動かす。 それだけで蒼龍の膣内はきゅうきゅうと締め付け、信じられないほどの快感をもたらす。 「はぁ、はぁっ、提督、提督ぅ…」 「蒼龍、好きだっ、蒼龍っ…」 互いの名を呼ぶたびに嬉しさと快感がこみ上げてくる。 それは蒼龍も同じなようで、彼女の腰の動きもだんだんと大胆になっていく。 結合部から出るずちゅ、ぶちゅという卑猥な水音が脳髄を刺激し、蒼龍の息遣いと熱気が頭を熱く甘く蕩かしていく。 「はぁっ、あ、! あっ、てい、とく、ああっ、やだやだ…っ、そ、こぉ、だぁめっ…!」 たゆんたゆんと揺れている柔らかい乳肉を掴むと、蒼龍の嬌声が一段と激しくなる。 そんな蒼龍がたまらなく愛しくて、腰を動かしたまま覆いかぶさって唇を貪った。 「ちゅむぅ、ちゅぶっ、ちゅる、んっ、ぷぁっ、んんっ、あはぁっ きも、ちいい、ですかっ…?て、とくっ、あ、わ、わたしできもち、よく、なれてるっ…?」 「ああっ、最高だっ…蒼龍のナカ、熱くて、ぬるぬるでっ…搾り取られそうだっ…!」 「よかっ…た、わた、しも、はぁっ、ていとくのぉ、いいっ…きもち、いいですっ…」 前戯でさんざん濡らしたのが良かったのか、蒼龍はほとんどもう痛がる素振りを見せない。 それとも蒼龍のしていた『練習』の成果だろうか? 「ちゅ、ぺろ、はぁ、すっ…き、な、人の、だからぁっ …きもちいい、の、かなっ…」 そんな詮無い思考も蒼龍の台詞で塗りつぶされ、彼女の胎内にすべてを注ぎ込むことしか考えられなくなってゆく。 「う、うあっ…も、だめだっ…蒼龍…っ」 「はいっ、はいっ、わたしの、なかでぇっ…ぜんっ、ぶっ…わたしもっ…!」 どくんっ、どびゅうっ、びゅるる、びくっ、びくっ… 限界まで抑えていた欲望が爆発し、蒼龍の最奥に流れこむ。 同時に蒼龍の膣肉もまるで絞りだすようにうねり、痙攣し、貪欲に子種を飲み込んでいく。 「っあ…あ…あつい、の、どくどく、って、出てます…」 人生最高の充足感を味わいながら、蒼龍の肚に一滴残らず注ぎ込んだ。 そのまま倒れるように蒼龍に覆いかぶさり、心地良い倦怠感を共有する… 「はぁっ、はぁっ、気持よかったよ、蒼龍…」 「私も、です…私…幸せです…」 この期に及んでまだそんな可愛いことを言うか。俺を殺す気か。 互いの体温をひとしきり楽しんで、ようやく蒼龍から離れる。 萎えた陰茎を蒼龍の膣穴から引き抜くと、愛液と精液の混ざったものがゴポリと溢れ出る。 「いっぱい出ましたね…」 二回目だというのに、我ながらよくこんなに出したものだ。 「…っとと、ティッシュティッシュ」 「ああいいんです、後で私が片付けますから。それに―」 「え?」 「いえ…何でもないです…あの…ちょっと勿体無いなって思っただけです…思っただけですよ?」 この子は… 「…で、大丈夫だったか?最後の方は俺も気遣いとかできなかった、すまん」 「いえ…最初は痛かったですけど…途中からわけわかんなくなってましたし… 多分、気持よかった…ですし…夢中になってくれたのなら、嬉しい…です」 そう言葉を紡ぐ蒼龍がまた可愛くて、たまらず俺は彼女を抱きしめる。 「…これからも、よろしくな」 「はい…こちらこそ♪」 蒼龍が眠りについたあと、このまま蒼龍を抱いて眠りたい衝動をこらえ、俺は空母寮を後にしたのだった。 *** 「エエー!まだ付き合ってなかったんですカー!?」 「…え?」 翌日、朝食の席で蒼龍を改めて秘書に据えることを皆に伝えた。 最初は「提督は何当然のことを言っているのだろう」という雰囲気だったので、もうちょっとその…詳しく説明したらこの反応である。 「…え、どういうこと?」 「だってテイトク、蒼龍と一緒にいるトキはいつもso sweetなatmosphereじゃないですカ!」 「…マジで?」 ちなみに金剛は砲・電探の開発を担当しているため、何回か臨時に秘書艦を務めている。 自分としては蒼龍と変わらぬ態度で接していたつもりだったのだが… 「ワタシもテイトクのことダイスキですケド、さすがに蒼龍には敵わないネー」 「蒼龍さんもラブラブでしたし、どう見ても余人の入る隙はありませんでしたからね…」 「アレで隠していたつもりだったとは…提督は余程隠し事をするのが下手と見えるの」 鳥海と利根に追撃を食らい、茫然とする俺。ということは… 「な?昨日は早々に引き上げて正解だったじゃろ?」 「ですね」 「Nice ideaだったネ」 「え!?お姉さま、あれってそういうことだったんですか!?」 やはり、昨日は気を利かせてくれていたのか。若干一名気づいていなかったようだが… 「提督と蒼龍さんが、そ、そんな関係だったなんて…」 「あー…やっぱりそうだったんだね」 「お、朧は知ってたの!?」 「まあ…ちょっと怪しいかなぁって」 「うーん、ご主人様呼びも考えないといけないかなぁ?」 「フン、クソ提督にはもったいないわね」 第七駆逐隊の面々ですらこの反応…そんなに態度に出ていたのか… 今度からはもう少し気をつけよう、あれ?でももうその必要もないのか? そんなことを考えていると、 「ああ…それで昨日は特に声が大きかったのね」 「!?」 別な方向からの衝撃発言。今度は蒼龍が動揺する番である。 「ちょっと飛龍…はしたないですよ」 「ご、ごめんなさい、赤城さん」 飛龍は蒼龍の隣の部屋だ。もちろん昨日が初めてで、つまり… 当然ながらそんなことは口にしないが、顔を真赤にして俯く蒼龍はすこぶる可愛かった。次回の責めネタは決まりだな。 そんなことを考えながら、俺は朝食と幸せを噛みしめているのだった。 おしまい
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「千代田……」 背後から甘い呼び声と共に、吐息が首筋に吹きかけられる。 それだけで、全身に走る微電流。千代田はその心地良くも刺激的な感覚に、うっとりと目を閉じた。 続けて、千代田の両脇腹に手が当てられ、それ素早く胸へとあげってくる。 豊かな胸にゆっくりと沈み込んでいく指。そのうち左右1つずつが、服の上から敏感な乳首を探り当てた。 「あん、千歳お姉、そ~ゆぅのは二人の部屋で……」 さすがにいつ誰が通るかわからない鎮守府の廊下でコトに及ぶのはマズイ。 最後の理性を振り絞ってそう言うと、千代田は身をよじって背後を振り返った。 「きゃああああああああっ!!」 廊下の端から端まで届くような悲鳴をあげた。 いや、艦娘たるもの、悲鳴だけで済ますはずもなし。 背後を振り向きざまの肘打ち、続けて股間を狙って前蹴り。そして身の丈ほどもある緑色の機体格納箱を横殴りに振り回す。 その全ての攻撃を軟体動物じみた奇怪な動きでかわした提督は、乱れた髪をかき揚げながらわきわきと両手の指を動かす。 「はっはっは! どうだ千代田、私の声帯模写も磨きがかかってきただろう!」 「くだらない宴会芸に磨きかけてんじゃないわよセクハラ提督! 仕事しなさいよ、大和と武蔵がタンクの底の燃料まで飲み干そうとしてるわよ!」 「これも私の仕事のうちだ。改2になったお前たち姉妹の発育具合を触診するのも……大和と武蔵がなんだって?」 「早く行かないと駆逐艦用の分まで平らげるんじゃないの?」 むむむ、と提督は顎に手をあてて考え込んだ。 「大和・武蔵のおっぱいを維持することを考えれば、多少の浪費には目をつむらねばなるまいが、未来のおっぱいのために投資することも大事……そう言いたいのか、千代田!」 「うっさいこの変態! あと千歳お姉にまでセクハラしたらありったけの艦爆で絨毯爆撃だかんね!」 フ、と提督は意味深な笑みを口元に浮かべた。 「それを言うのは一日遅かったな」 「ええ? ちょっとそれどういうこ」 言い終わる前に、提督はくるりと回れ右して廊下を走りだした。 「ちょっと待ちなさい! お姉に何をしたのよ!?」 「はははは逃げる島風に追いついてスカートをめくれる私についてこれるものかっ」 巨大な機体格納箱をうっちゃっておくこともできず、さりとてこんな重量物を背負ってまともに走れるはずもなく、千代田はあっという間に提督の姿を見失った。 「もおお~!」 足で床をガンガン踏み鳴らしながら、千代田は歯ぎしりする。 「なんであんなのが提督やってんのよ! 軍紀が乱れるってレベルじゃないでしょ!」 「どうしたの千代田。さっき提督がキラキラした笑顔で走っていったけど」 廊下の曲がり角から、ひょいと千歳が顔を出す。 千代田は走っていき、姉の身体に抱きついた。 「千歳お姉、あの変態提督に変なことされなかった? もう一緒に軍法会議に突き出そうよ」 うんざりした声で言う千代田の背中を、千歳はぽんぽんと叩いた。 「まあまあ。あの人以外に適任がいないからしょうがないじゃない。それに、意外と指揮は優秀よ。進出・撤退の判断も的確だし……」 そう言われて、千代田はしぶしぶ頷いた。 常識を超えた存在、深海棲艦に唯一対抗できる艦娘たちも、また常識を超えた存在だ。 これまで教わってきた物理法則も海戦戦術も否定され続ける現場に、普通の士官はまず一ヶ月で身体を壊す。 敵にも味方にも完全に適応して半年以上、艦娘たちを指揮できたのは、あの提督が最初だった。 「お姉は、提督が私たちを受け入れてくれたのは、変態だからだっていうの?」 「さあ……普通に考えれば、『女性』だからだと思うけど。黙ってじっとしている限りは、美人さんよね、提督は」
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970 :名無しの紳士提督:2015/10/14(水) 06 02 58 ID ihRXAbUI ちょっと前のコメの、提督の本音が綴られた日記がうっかり艦娘の手に……というやつ。書いてたの忘れてた 皇紀二六七五年八月。夏。 (走り書きが目立つ。枠外に防空棲姫、XY、くたばれ、等と何度も書きなぐられている) 相も変わらず戦況は著しく悪い。畜生。何が幸運艦だ。危うく、報告を受けたその場で怒鳴り散らす所だった。乾坤一擲のこの大事に、我が艦隊の主力の一翼が、敵艦の一隻も蹴散らさぬうちから大破とは。キサマ、何事だ。 勿論時雨一人が責められる謂れなどはない。道理だ。けれど、そうした安っぽい小理屈で、感情を完全に納得させられるわけもない。こうして筆を取っている今でさえ、苛立ちが納まったとは言い難い。 艦隊に残された油の量。益体もない事ばかり考えさせられる。 しかし結局、俺はふっつりと黙り込んで、不機嫌を如実にあらわにしただけだったのだ。あのとき……いつのも如く、連中を出迎えるため足を伸ばした、あの時は。 そうだ。何の事はない。俺は、当の時雨の隣に立つ、駆逐艦夕立をとてもに扇情的に思ったのだ。裸体でもないくせに妙に男を誘うその姿に目を奪われたのだ。 正直は美徳であるが俺にはその自由もない。これまで俺は艦隊の誠実な上官であり続けたが、その為か連中、どんどんとつけあがっているようだ。仮にもうら若き乙女が、無闇に男の前で肌を晒すなど、許されるものではない。嘆かわしい。俺は今まで公私を混同させた事はない。しかし、こうなってはそれがよくなかったのかもしれない。 普段の言動からは想像もつかぬ、あのにく。二の腕の。あるいは足の腿の。襟から覗く首筋の。 おんなの体だった。華奢ではない。全ての男に、抱き寄せそのにくのぬくもりを確かめたいと思わせるだけの、匂い立つような色気があった。突き出た乳房と対照的な腰のくびれ。 それを少女と呼ぶにはあまりに危うかった。 その時俺は、連日海を駆けずり回っているにも関わらず、まるで日に焼ける気配さえ見せぬ餅のような柔肌をした、犬の如き、夕立を組み敷き欲望のままに貪りたいと、それだけを考えていたのだ。 やれ、雨が降っただの、雪が降っただの、くだらない事を実に嬉しそうに逐一騒ぎ立てるあれに対して、今まで一度だってはっきりと女を思った事などなかった。一度ならず、うたた寝をしている俺に夕立が引っ付いてきて、寝入り、秘書艦に二人まとめて叩き起こされた事もあるぐらいだ。 俺にしても、艦隊の実態としてこうも女人ばかりであるから、知らぬうち、自然と線引いていたのかもしれない。無意識に、手を出すなどとんでもない事であると心中言い聞かせ続けていて、だからこそ、指揮の妨げになりかねぬ諸々の問題を犯さずに済んだのではないか。なにしろ、連中のそうした素振りも一度や二度ではないのだから。 夕立はその範疇の外にいたのだ。それは間違いのない事だ。 そのまったく範囲外から俺は己の柔らかい部分に抜き身の刃を突き立てられたのだ。 ……すでに今日で二度、マスターベーションをしたが、まるで治まる気がしない。 かくなる上は、機を見計らい、当の本人に責任をとってもらうほかあるまい。 ――謎の艦娘がその日記を拾い上げた。何食わぬ様子でそれを読んだ。 「ンン……? これは……この字はテイトクのものデース……」 「……ナ、ナ、ナ……なんて事デース! こんな、劣情を……!」 「しかし……これは、誰かが発散させないとイケナイデースねぇ……」 謎の艦娘は一人、こっそりとつぶやいた。
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429 :名無しの紳士提督:2015/07/18(土) 15 18 08 ID tYVietT2 比類なきテクニックを誇る龍田おねえさん VS 底無しの精力を誇るショタっ子 ファイッ! 1発目 「あらあらぁ、まだ手でしてあげだだけなのに、もう出しちゃったんですか? 我慢の出来ないおさるさんですね」 「手だけでこんなに溢れさせちゃうなんて……フフ、お口でしてあげたら、どんなになっちゃうんでしょう♪」 2発目 「ん……すっごく濃ゆい童貞せーえき、頂いちゃいました♪ 御馳走様」 「腰がくがく震わせちゃって、可愛い♪ もーっと可愛がってあげますねぇ」 3発目 「2回出した後なのに、すぐ出しちゃって……。堪え性の無いお○ん○んさんには、せっくすはお預けです」 「ふふふ、そうですねー、あと2回頑張れたら、ご褒美あげますよ~?」 5発目 「はぁ~い5発目、よく頑張りました♪ えらいえらい」 「ぐすぐす泣きじゃくってるお顔、きゅんってきちゃいます♪」 「ほんとはお預けしちゃおうかと思ってたんですけど、特別に、『せっくす』、してあげますね」 「さ、そこに横になってください。お姉さんが挿入れてあげますからね~」 6発目 「やぁん♪ アソコが触れただけで出ちゃうなんて、そんなに私とせっくすしたかったんですか?」 「ゆっくり、ゆっくり挿入れてあげますから……初めてをお姉さんに食べられちゃう感覚、たっぷり味わって下さいね~♪」 7発目 「はぁい、ここがお姉さんの終点、大事な大事な、赤ちゃんの部屋の入り口ですよぉ」 「ここまで吐き出さずにいられたご褒美に……子宮口でお○ん○んにキス、してあげます、ねっ!」 「ふふふ、出てる出てる……子宮の入り口にびゅーびゅーしちゃってます♪」 「で・も、これだけで済むと思わないでくださいね?」 「精嚢がカラっぽになるまで、お姉さんが何度でも搾り取ってあげますから♪」 15発目 「よく頑張りましたけど……そろそろ限界でしょう?」 「さ、お姉さんの目を見ながら、『僕はお姉さんのモノです』って誓ってごらんなさい? そしたら許して……ひゃんっ!?」 「だ、だぁめ! クリちゃんはお触り禁止です! まったくもう……」 21発目 (い、一体何発出せばおさまるんでしょう、このおさるさんち○ぽ……) (膣壁に特濃せーえき擦り込まれて……それにもうずっと子宮でキスしちゃってます……) (まずいですね……そろそろ子宮が我慢できなくなっちゃいそうです) 「そ、そろそろ疲れたでしょう? お終いにしましょうか……え? まだ出来る?」 (うそぉ……ぁ、あ、また射精ぇ♥) 25発目 「そんなにクリちゃん触りたいんですか? ……どうしても?」 「し、仕方のない子ですねぇ……ここまで頑張ったご褒美に、特別ですよ?」 「こ、こぉら、がっつかないの! 包皮は自分で剥きますから……」 「いいですか? ここは女の子のお○ん○んのようなもので、とってもとっても敏感なんです」 「けっして乱暴にはしないように……優しく、優しくですよ?」 26発目 (ふぁ、ぁ……この子のゆび、きもちぃ♥) (たどたどしいのに、必死に私の感じる触り方探って) (私のクリちゃん滅茶苦茶にしたいって気持ちと、私を気持ち良くしてあげたいって気持ちが、せめぎあってて) (分かっちゃいます。この子の優しいところ、男の子なところが、陰核への刺激で伝わってきちゃって……それに) 「――おちんちん膨らんでます、ね。また、射精しちゃうんですね」 「お姉ちゃんも、ね、イっちゃいますから……だから、クリちゃん、いいですよ」 「思い切りいじって、たくさん気持ち良くして……あ、あーーーーーっ!!!」 27発目 「ふふふ……お姉ちゃんも、一緒にイっちゃいました♥」 「ほんとにもう♪ まさかおさるさんにここまでされちゃうなんて……え?」 「う、嘘……まだこんなに硬い……ち、ちょっと待って!」 「わ、私、ホントにイって、腰抜けちゃってて……少し休ませてぇ!」 「ゃ、やだ、押し倒すなんて、もう! 本気で怒っちゃいますよ!?」 「あ、ひ、ひぃぃぃいん!? や、なんで、なんでこんなに濃いのぉ……!?」 38発目 「ぁ、ぁ、ぁ、あ、ひ……うあああぁん♥……また、また出てるぅ……」 「もう、もう許して、ね? お姉ちゃんの負けです。最初にいぢめたことなら、謝りますから」 「そ、そんな……また動いて、っ!? ひゃうぅん!?」 (ぁ、駄目、見つかっちゃ駄目ぇ……そこ、そこGスポットぉ……) 39発目 (もう一時間以上Gスポット擦られてる……丁寧に、丁寧に。雁首で、こりゅこりゅってぇ……) (駄目、擦られ過ぎておしっこ、漏れちゃいそぉ……) 「あ、あのね? おトイレ、行かせてください。そしたらまたシてあげますから、ね?」 「こ、此処でって、そんなこと出来る訳無いでしょう!?」 「あっ!? 駄目、おしっこの穴、指で撫でちゃ……ダメ、漏れちゃう、もれちゃうぅ」 「だ、出したいって……駄目っ! 今射精は絶対駄目ですから!」 「今出されたら、ほんとに我慢できなく……や、やだ、お○ん○ん膨らんでるぅ……」 「せ、せめて顔、見ないで、ね? 射精されて漏らしちゃってる顔、みないで、堪忍してぇ……ぁ、ふぁ、ふあぁぁぁん」ジョロロロ…… 40発目 「ふぇ、ぐすっ…ひっく」 「……怒ってますっ!!! まったくもう……お姉さんをこんなに辱めるなんて。いけないおさるさんち○ぽなんですから」 「……え? 改めて話がある、ですか?」 「『お姉さんとケッコンしたい』って……じゃあ今日は、それを言うために?」 「ふふふ、まったく、とんだおばかさんですね♪」 「もう、私はとーっくに貴方に、モノにされちゃってるじゃないですか♪」 「そもそも、私が断ったらどうするつもりだったんですか」 「まさか、この私にあれだけ恥ずかしい思いをさせて、責任取らずにすたこら逃げるつもりだったんですか?」 「そんなのは許しませんよぉ。それに、ホラ……」 「気付いてましたか? 私の子宮、完全に下まで降り切って……。それに入り口も、とろっとろに蕩けちゃってます」 「ほぉら、亀頭が沈み込んで……そのまま腰を進めたら、きっとナカまで挿入っちゃいます」 「あなたがこうしたんですよ? 何度も何度も精液吐き出して、擦り込んで、お姉ちゃんの子宮を子作り準備万端にしちゃったんです」 「だからほら、こうして…んうっ!……ぁは、これで、赤ちゃんの部屋、挿入っちゃいましたね♥」 「さ、このままびゅーびゅー射精して、龍田を孕ませてくださいな……旦那様♥」 +後書き 長くなりすぎたかな まとめてtxt形式でうp出来るところとかあると便利なんだが これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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331 :名無しの紳士提督:2015/12/13(日) 22 53 53 ID favdgQso 流れをぶった切って恐縮ですが、 107 の続編というか、対になる話を投下させていただきます。 伊勢型姉妹とジュウコンしている提督が嫁とHする話、伊勢編です。 極微ですが、アナル描写有りですのでご了承下さい。 夜のお相手も日替わりです。(エアリプ) 332 :伊勢型ジュウコンカッコカリ_02:2015/12/13(日) 22 55 29 ID favdgQso 俺の煎餅布団の脇で、伊勢は難しい顔で正座をしていた。 この夜更けに、今日の秘書艦で指輪を贈った相手でもある彼女を私室に誘ったのだから、当然下心はある。 伊勢だって、分かった上でついて来たはずだ。 それなのに、上着を脱がせてハンガーに掛けてくれた後はずっとこの調子だ。 俺が部屋着のTシャツ姿に着替え終えたところで、伊勢が切り出した。 「提督、聞いてもいいですか?」 「ん?」 夏の大規模作戦以来、まったく出撃がないことが不服なのか。 はたまた、瑞雲を後回しにして零戦21型の練度を上げているのが面白くないのか。 「あの……提督は、お尻に……シてみたいですか?」 「!!?」 俺は驚いた拍子に、ちゃぶ台に思いっきり脛をぶつけてその場にうずくまった。 「変なことを聞いてごめんなさい……。」 伊勢は申し訳なさそうに、俺の脛をさする。 そういえば少し前に、日向から、伊勢が俺の隠していたエロ本を見つけた話を聞いたのを思い出した。 それで知恵をつけたであろう事は察しがつく。 「いやいや、伊勢にそんな趣味があったとはなぁ。」 アナルねぇ。俺は『どちらかといえば興味がある』程度だけれども。 「誤解ですっ!! 提督にそういう趣味があるなら応えたいだけですからね!」 顔を真っ赤にした伊勢は、俯いて続けた。 「提督は、いつも私と日向を平等に扱おうとしてくれてますよね? でも、私達に指輪を贈ってくれた時、着任順にって日向が先だったから……。 私にも何か、日向より先のことがあったらいいなって思って。」 「伊勢……。」 その、『先のこと』がこれでいいのか!? もっと言うなら、日向とそんなプレイをする事は一生ないと思うぞ。 ……姉妹揃って、ちょっとズレているところがあるよなぁ。そこも可愛いのだけれども。 思うところはあるが、一つだけ言える。 自らお尻を差し出そうとしているのを、無下にできるか! 俺は、俯いたままの伊勢を抱き寄せた。 顔を上げた彼女と唇を重ねると、そのまま舌を割り入れて絡め、互いに啄み合った。 チュッ、クチュと水音が耳の中で木霊するのを聞きながら、柔らかく、僅かにねっとりした感触を気が済むまで味わった。 唇を離すと、伊勢の舌先から唾液が名残惜しそうに糸を引いているのが目に入った。 「まずは装填しないとね。」 伊勢は独りごちると立ち上がり、部屋の灯りを消した。 そして俺に布団に寝るよう促すと傍らに正座をし、俺の顔をちらりと見て恥ずかしそうに言う。 「あの……提督、脱ぎませんか?」 「あ、あぁ。」 『夜戦』を厭わない彼女とはいえ、自分で脱がす事には抵抗があるだろう。 素直で臆しない性格に甘えていることを心の中で詫びながら、請われるままに下着ごとズボンを脱いだ。 秋の夜の、少しひんやりとした空気に俺の主砲が曝された。 しかし、すぐに温かいものに包み込まれた。伊勢の口だ。 時折唇の端からプチュプチュと音を漏らしながら優しく刺激されると、意思とは関係なく瞬く間に大きくなった。 伊勢は、今度は亀頭を唇で軽く咥えて、舌先で鈴口をちろちろとくすぐりはじめた。 一方で、唾液と先走り汁で濡れた指先で、執拗に裏筋をなぞる。 しばらくそうした後、俺のもどかしさを見透かしたように、口いっぱいに肉棒を頬張った。 口腔全体で、時に吸い上げ、時に舌でカリを擦り上げる。 ジュプ、ジュプという音を聞きながら、白くなっていく意識の中、このまま口の中に射精してしまおうかとぼんやり思った。 不意に、伊勢の口から開放されて我に返る。 「気持ちいいですか……?」 少し苦しかったのだろう、そう尋ねる伊勢は荒い息をしていた。 「ああ。」 「よかった。」 ふふっ、と小さく笑って再び主砲を咥えようとするのを制して、布団に横たわらせた。 女らしい丸みと、日頃の鍛錬を思わせる無駄のない筋肉の両方を同時に感じる脚線は、思わず見とれる美しさだ。 その腿を抱え上げて脚をM字に開かせると、秘所を覆う白く小さい布が曝け出された。 それは既に濡れそぼっていて、クロッチの部分にはシミまでできている。 「あっ、スカートが皺になるから待って……ひゃぁんっ!」 布の隙間から指を差し入れて肉蕾を擦ると、大きな嬌声が上がった。 「こんなに濡らすほど期待してるのかぁ、お尻に挿れられるの。」 「もおっ!意地悪っ。」 俺は、伊勢の抗議も意に介さず、下着を脱がすと指を蜜壷の奥へと差し込んだ。 軽く指を曲げて、壁がざらっとしている辺りを指の腹で擦ってやると様子が変わる。 「あんっ、そこはっ、ふぁ……あんっ、刺激が強すぎっ……やぁんっ!!」 言葉通りなのだろう。責めを続けると、俺の指を咀嚼するかのように蠢きながら、蜜を尻まで滴らせた。 シーツを掴み、喘ぎながら腰をよじる様は淫靡で、劣情を催さずにはいられなかった。 「あっ、あぁん……はあっ……提督っ、あんっ! もうっ……ぁ…あぁんっ! イっちゃうぅ…!!」 俺に腿を抱えられたまま、伊勢は割れ目から潮を噴き上げて腰をひくつかせた。 絶頂に達したのは、傍目から見ていも明らかだった。 俺は、息を弾ませて余韻に浸る伊勢の中に、自身を挿入した。 姉妹艦だけあってか、挿れた時の感じが日向とよく似ていると思っていることは、当然胸に秘めておく。 「……ぁんっ!!」 全身を弛緩させていたのに拘わらず、伊勢の肉壷は刺激に反応してきゅうと絞め付けてきた。 俺は、それに気を良くして、ぐっしょりと濡れている後孔にも人差し指を侵入させていった。 初めての経験に気分が高揚する。 「ひゃぁぅ!!?」 伊勢から、悲鳴とも嬌声ともつかない高い声が上がった。 弄ってみると、入口こそ狭いが、中は意外なほど柔らかだった。 「……くぅんっ…お尻がじんじんするっ……。」 「痛いか?」 「……うぅん…大丈夫です。」 「無理はするなよ。」 様子を見ながら、二本目の指を入れる。 繋がったままの伊勢が、一瞬、身体を強張らせたのが伝わってきた。だが、それは一瞬だけだった。 「……ふぁ、あ…熱くて、変な感じ……。」 俺を信頼しているからこそ、俺が与える快感も、苦痛も、あらゆる全てを受け容れようとしているのだろう。 その姿が愛おしくて、俺は、指を抜くと伊勢を抱き起こした。 伊勢の上衣はすっかりはだけていて、黒いインナーが露わになっていた。 伸縮性のある生地が程良いボリュームの胸にぴったり張りつき、二つの丘陵の頂がぷくりと膨れ上がっているのがはっきり判った。 思わず手を伸ばしかかるが、邪念を振り払って口を開いた。 「伊勢はさ、提督募集の広報に使われている絵があるのを知ってるか?」 「うーん……。知らないです。」 伊勢は首を傾げて、続く言葉を待つ。 「真ん中に吹雪がいて、その後ろに囲むように伊勢と赤城と最上と大井がいるんだ。」 提督なら艦隊指揮を執る前に必ず目にする、あれだ。 「それを初めて見て、伊勢が……その時は名前も知らなかったけれど、飛行甲板を構えている姿が凛々しくて可愛くて。逢ってみたいと思って、俺は今こうしている。」 ……きっと、一目惚れだったんだと思う。 「だから、俺が出逢ったのは日向が先だけれど、伊勢を先に知ってたんだ。」 「!!……私にも、日向より先のことがあったのね。」 伊勢から歓喜の感情が溢れたのは一瞬だった。 ふふっ、と小さく笑って続ける。 「私、日向のこと妬いてたんだな……。」 それはいつもの楽しげな笑みではなく、自嘲だった。 伊勢は、不意に俺の首に腕を絡めて頬を寄せてきた。 甘えているようにさえ取れる物腰だが、顔を見られたくないというのが真意だろう。 「提督が私達に、『これからもずっと二人で支え続けて欲しい』って言ってくれたとき、本当に嬉しかったんです。 日向は私にとって大切な妹で、頼りになる僚艦だけれど、提督も日向のことを同じように思ってくれていて、これを二人分用意してくれたんだって。」 背中で、伊勢が左指の指輪をそっと撫でたのが分かった。 「……これ以上何かを望むなんて、欲張りね……。」 日向はうちの艦隊に最初に加わった戦艦で、伊勢はそれから数ヶ月遅れてやって来た。 最初こそ近寄り難さを感じた日向だが、一緒にいると不思議と心が穏やかになった。 そして、伊勢と一緒にいるのはいつでも心地良かった。 二人の内どちらかを選ぶことは考えられなかった。 今の関係は俺にとって必然だ。しかし、彼女達にとっては違うのだ。 身勝手だけれども、今だけは伊勢に日向のことを忘れていて欲しかった。 それは伊勢も同じだったのかもしれない。 「提督、バックで来てくれますか……?」 耳元でそう囁いて、吐息とともに絡めた腕を解いた伊勢は、俺の顔を覗き込んだ。 それは、紛れもなく雌の顔だった。 薄闇の中、伊勢は熱に浮かされたように服を脱ぎ捨てて、一糸纏わぬ姿で自ら恥部を俺の前に突き出した。 その艶めかしさに魅入られて、俺は、伊勢の腰のくびれに手を添えると一気に貫いた。 「ぁ…あぁんっ……!!」 伊勢の艶声とともに、ブチュッと卑猥な音が鳴った。 屹立した男根を抜き差しする度、とめどなく溢れる愛液が最深部へと誘っていく。 「あんっ……はあっ…あんっ……提督っ…もっと良くしてっ……!!」 伊勢がせがむように小さく腰を振りはじめると、腹の奥の方からじりじりと快感がこみ上げてきた。 「……気持ちいいぞ、伊勢。」 「あっ、…わ……私もっ…すごくいいっ!…はぁっ……おかしくなっちゃいそう……。」 「おかしくなってもいいぞ。」 余裕がなくなってきた俺は、伊勢のすっかり硬くなった肉蕾を指先で擦り上げた。 「あぁっ……!! ダメぇっ!!」 その刺激で、伊勢の理性をかろうじて保っていた枷が外れたようだった。 結った髪と乳房を激しく揺らし、尻肉のぶつかるパンパンと乾いた音を立てながら、伊勢は夢中で腰を振ってきた。 肉壷は容赦なく、千切れそうな程に俺自身を絞め上げる。 「ぁあんっ! あんっ! いいっ…いいよぉ……ぁあんっ、イっちゃうっ!!」 伊勢が嬌声とともに上体を大きく仰け反らせて身体をビクビクと震わせると、彼女の全身から力が抜けていくのが分かった。 俺は、放ちたい欲求をかろうじて抑えて、伊勢の中から引き抜いた肉棒を菊門に挿入した。 「…えっ?……ふあぁんっ!! いやぁ……あぁん……。」 狭い入口が亀頭を締め付ける刺激以上に、不浄の穴を犯している背徳感が昂ぶらせた。 「お尻で感じるなんて、伊勢は変態だなぁ。」 「ちがぁ……あっ、だめぇ…提督っ、またイっちゃう!…ぁあぁっ!!」 「伊勢っ、出すぞ!……っ!!」 俺は、限界を超えて溜め込んでいた精液を、一滴残らず注ぎ込んだ。 精を放った快感の中、男根が脈打つたびに尻穴を犯されながら小さく嬌声を上げる伊勢の姿を、半ば呆けながら眺めていた。 「がーん! スカートが皺になるって言ったのに……。」 すっかり身嗜みを整えた伊勢が、スカートの皺を手で伸ばしながら大袈裟な声を上げた。 それは昼間、執務室で秘書艦の仕事をこなしている時そのままで、さっきまでの淫らな姿が夢のようにさえ思えた。 「一晩あれば皺も伸びるだろう? 今夜は泊まっていけばいいよ。」 「うぅん、せっかくだけど帰ります。朝起きて私がいなかったら、日向が寂しがっちゃうから。」 そう言うと、ふふっ、と小さく笑う。 いつもの楽しげな、あの微笑みだ。 俺だって、伊勢も日向もどんなに遅くなっても必ず姉妹に充てがわれた私室に戻る事を知っているのだけれど、時々それを確かめたくなるのだ。 「寝坊して、明日日向に怒られないようにしてくださいね。 おやすみなさい、提督。」 小さく手を振って部屋を出る伊勢の背中を見送りながら、俺が居ようが居まいが変わらないであろう姉妹の関係に、安堵とともに一抹の寂しさを感じていた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/